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頭頂部をツルツルにする“ザビエルハゲ”は薄毛じゃないし、「ザビエル自身はフサフサだった説」もある

教科書のあの絵画は一体……。

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 16世紀に日本にキリスト教を伝えたとされる宣教師、フランシスコ・ザビエル。歴史の教科書でその肖像画を見たとき、ついツルツルな頭頂部に目が行ってしまった人は少なくないのでは?

 あれは薄毛ではなく、意図的にそりあげたヘアスタイル。実は、名称もちゃんと存在します。


ザビエルといえば、この「聖フランシスコ・ザヴィエル像」

“ザビエルハゲ”はハゲじゃない

 一般に「ザビエルハゲ」などと呼ばれているあのヘアスタイルは「トンスラ」。起源に関しては難しいものの、7世紀にはすでに頭頂部をそりあげる髪形が広まっており、13世紀以降、聖職者に強制されるようになったといいます。

 「あえてかっこわるい髪形にすることで、世俗から離別する狙いがある」といわれることがありますが、さらに「古代ギリシア・ローマでは頭をそるのは奴隷のしるしだった」などの歴史的な背景が指摘されることも。当時のヨーロッパの人々にとっては、見た目以上に覚悟がいる髪形だったのかもしれません。

 ちなみに、当のザビエルに関しては「実際には、頭頂部をそっていなかったのではないか」という説が存在。というのも、彼が所属していたイエズス会にはトンスラの慣習がないうえに、頭髪がそられていない絵画もあるのだそうです。日本でよく知られている絵画「聖フランシスコ・ザヴィエル像」は、死後50年以上たってから制作されたものと考えられています。


17世紀スペインの画家バルトロメ・エステバン・ムリーリョによる絵画。角度的に分かりにくいですが、頭頂部をそり上げている描写はありません


大分県大分市の「フランシスコ・ザビエル像」。短髪ですが、頭頂部も生えています(大分県Webサイトより)


ドイツ・ベンスハイムの銅像。少し生え際が上がっているように見えますが、頭頂部はそっていないもよう

主要参考文献


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