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日本には、世界最小のほ乳類として評される「トウキョウトガリネズミ」が生息しているのですが、長年、東京で暮らしていても野生の個体を目にする機会は皆無といっていいでしょう。
体重2グラム程度と非常に小さいうえに、絶滅危惧種に指定されているという悪条件もありますが、それ以前に「トウキョウトガリネズミの名に反して、北海道に生息している生物」なのです。
今回は、かわいいけど謎が多過ぎるトウキョウトガリネズミの雑学をご紹介します。
北海道に生息するモグラの仲間「トウキョウトガリネズミ」
トウキョウトガリネズミは、「人間の親指より小さい」と説明されるほど小さい哺乳類で、しっぽを除く体長はわずか約5センチ。1903年にR.M.Hawker氏が発見し、「Yedo」で採集したと報告したことから、「トウキョウ」と名付けられたといいます。しかし、この「Yedo(江戸)」は「Yezo(蝦夷)」の誤りで、実際には北海道にしか生息していないとか。
もう1つややこしい話をすると、この生物が属するトガリネズミ類はネズミではなく、モグラの仲間。しかし、円山動物園(北海道札幌市)によると、その体形はモグラよりもネズミに似ており、それなのに、北海道ではトガリネズミのことを、モグラと呼ぶことがあるそうです。……結局、どっちなんですか!
また、トウキョウトガリネズミは「2時間ごとに食事をしないと、餓死する可能性がある」という話が知られていますが、これは大げさな話ではないもよう。ほ乳類学者・阿部永氏は「(トガリネズミをワナで捕獲するときは)1〜2時間おきに見回る必要がある。ワナに入ったトガリネズミ類を餌なしで2時間以上放置した場合、多くのものが死亡する」としています。
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