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「メルカリが上場」で何が起こる? 「上場」の意味と仕組みをやさしく解説

覚えておきたいニュース用語の一つですね。

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 オンラインのフリーマーケットを運営する「株式会社メルカリ」が東証マザーズに上場を果たし、大きなニュースになりました。今回の上場のニュースは投資関係者からの熱い注目を集めています。

 ところで、そもそも「上場」すると何がどう変わるのでしょうか。今回は、会社にまつわるワードを解説していきます。


会社の種類

 そもそも、日本にある会社の種類は株式会社だけではありません

 会社法では、会社を「株式会社」「合名会社」「合資会社」「合同会社」の4つに分類しています。株式会社以外の3つをまとめて持分会社ということもあります。

 みなさんが名前を知っているような大きな企業は、大体が「株式会社」です。一方で、家族で経営しているような小さな企業は、多くが持分会社です。


株式会社とは?

 当たり前のように使っている「株式会社」という言葉、人に説明できるでしょうか? 定義を文章で書くと、株式会社とは「株主からの出資をもとに、株主総会で決められた経営者が業務を行う会社」ですが、これはどういうことでしょう。

 そもそも、会社の運営にはたくさんのお金が必要です。このお金を多数の投資家から集めて、見返りとして株主総会での議決権と配当を与えているのが株式会社です。



 元手となるお金は株主が出しますが、かといって株主は経営の実務に必ずしも関与しません。株主総会で選ばれた代表取締役などの役員が実務を執り行います(これを所有と経営の分離といいます)。



役員の選出のほか、新たな株式の発行などの重要事項は株主総会で決定されます

 これに対して、株式会社以外の「持分会社」では、こうした所有と経営の分離はそれほどみられず、元手を出資した人が経営も担っている場合がほとんどです。



非公開会社

 ところで、株式会社であっても、株主の範囲や株式の受け渡しを制限している会社もあります。これを「非公開会社」「閉鎖的会社」などといいます。非公開会社は、外部の影響を受けたくないマスコミ企業や、小企業ではないが株式市場で資金を集めるほどでもない規模の企業にみられます。

 以上から、「株式会社と持分会社」「公開会社と非公開会社」を表にまとめると以下のようになります。



全ての株式会社の株が市場で取引されているわけではなく、あくまで「公開の株式会社」の株が取引されています

上場とは?

 上の表で見たとき、非公開会社が新たに株式を公開すると、株式会社となります。この「株式を公開したい!」という申請が、証券取引所に認められるのが「上場」です。

 つまり、今回のメルカリの上場では、もともと非公開の株式会社だったメルカリが、新たに株式を発行して公開の株式会社になったということです。


上場すると何が良いのか

 上場するということは、株式を不特定多数の投資家に買ってもらって、よりたくさんの資金が集まることを意味しています。

 ということは、上場したメルカリは、次の手としてより大きな施策を打ち出すことができると考えられます。この「次の手」に期待するからこそ、上場が大きなニュースになったり、株価が上がったりするんですね。



 「資金が集まる→次に大きな手が打てる→もうけが大きくなる」という予想がより確からしいほど、株価は上がります。

 一方で、上場したからには、会社の中の管理をしっかりする必要があります。

 株式というのは、日々価格が変動するリスクのあるもの。そうしたリスクが投資家に不当に降りかからないように、公開会社は会計基準や監査をしっかりしなければなりません。

 上場するためには、会計の透明性のほかに、社会的なルールや法律をしっかり守っているか(コンプライアンス)の審査が行われます。今回、ユーザー同士のトラブルへの対処が懸念されたために上場が遅れた、というニュースもありましたが、これを考えると、今後、メルカリのユーザー間のトラブルに、より公平で適切な対応がされるようになることも期待できます。


おわりに

 「自分は株を買っていないから関係ない」と思う人もいるかもしれませんが、上場というのは、ふだんメルカリを使っているだけの人にも関わってきます。実際に新サービスやトラブルへの対処が良い方向へ向かうか、社会全体が興味を示しています。

 今後、知っている会社で上場関連のニュースがあったときにも、ぜひ動向に注目してみてください。

参考文献

河合正二『基礎から学ぶ会社法ー80のステップで学ぶ会社のましくみー』晃洋書房、2016

落合誠一『会社法要説 第2版』有斐閣、2016


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