マヨネーズといえば、サラダやお好み焼きなどにかける調味料。完成した状態でトッピングとしてかけることが多いものの、実は“料理をしている最中”にも使えるということをご存じですか? 例えば、ハンバーグのタネに適量混ぜると、お肉がふんわり仕上がるそうです。
大手メーカー・キユーピーは、こういったマヨネーズの使い方を「裏ワザレシピ」として公式サイト上で公開。ハンバーグの他にも、以下のような料理に効果を発揮するといいます。
- マヨネーズで炒めると、チャーハンがパラパラになる
- プリン液に混ぜると、なめらかに仕上がる
- マヨネーズを使うと“油で揚げない揚げ物”が作れる
なぜマヨネーズは、肉料理からスイーツ作りにまで利用できる“万能調味料”なのでしょうか。10年以上にわたって研究を行っている同社に話を伺ってみました。
―― マヨネーズを使うことで、料理がおいしく作れるのはなぜですか?
マヨネーズの原料は植物油や酢、卵などで、まず挙げられるのはそれらの効果です。例えば、チャーハンがパラパラになるのは「卵黄に含まれる『レシチン』の乳化作用によって、卵黄と乳化された植物油がご飯の粒をコーティングしてくれるから」と考えられます。
調理中に少量入れることで「やわらかく」「ふわっと」仕上がる料理も多いのですが、これにはマヨネーズが乳化した食品であることが影響しています。ハンバーグや厚焼き玉子の場合は、原料を未乳化のまま加えるよりも、乳化させた方が効果が高いことが分かっています。
特に「加熱すると肉が固くなってしまう」という悩みが、手軽に解決できるのは便利だと思います。
―― なぜキユーピーは、マヨネーズを利用したレシピの研究を行っているのですか?
「マヨネーズで玉子焼きがふんわりする」「チャーハンがパラパラになる」といった例は、以前から経験的に知られていて、料理サイトなどが増えた1990年後半から2000年代にかけて徐々に知られるようになっていきました。
それで、弊社のお客さま相談室に「なぜですか?」とお問い合わせいただくこともあり、マヨネーズの会社として科学的に解明してみよう、と研究の取り組みを始めました。公式サイト上に「裏ワザレシピ」として公開しているものについては、2004年から原理を明確にして学会発表を行っています。
―― 今後もマヨネーズの新しい使い方が発見される可能性はありますか?
弊社にはマヨネーズ調理を研究している研究員がおり、今後も「裏ワザ」や健康に良い食べ方を紹介していく予定です。
日常的に口にしている身近な食品のためか、気付きにくいかもしれませんが、マヨネーズの使い方はここ数十年のあいだに大きく進化していたようです。キユーピー「裏ワザレシピ」では具体的なレシピに加え、同社研究データまで確認できるようになっているので、料理好きの方は一度目を通してみると勉強になるのでは?
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