「スーツはウルトラマン、巨大化はゴジラを意識」 映画「アントマン&ワスプ」のペイトン・リード監督、特撮好き歓喜の撮影秘話語る:映画「アントマン&ワスプ」インタビュー前編(2/2 ページ)
特撮好きには絶対に見て欲しい一本です。
――前作では室内で小さくなっていたアントマンが「きかんしゃトーマス」に襲われるなど非常にユニークな演出がありましたが、今作では室外で大きくなったり小さくなったりするシーンが非常に印象的でした。
リード監督:良いポイントに気付いていただけましたね。今作ではサンフランシスコ市を中心に、屋外に世界を広げたいと考えました。サイズが小さくなったり大きくなったりする部分はできるだけクレイジーにやりたかったので、サンフランシスコ市の人たちに協力してもらいながら、ランドマークと絡めて撮影を行いました。今回はサンフランシスコ市も一つのキャラクターとしてフィーチャーしているんですよ。
――そうしたシーンでは、“特撮”を思わせるような演出もあったように感じたのですが、日本の作品で参考にしたり影響を受けたものはありますか。
リード監督:アントマンやワスプのスーツのデザインに関しては「ウルトラマン」にかなり影響を受けていますし、サンフランシスコ市で巨大化するシーンは「ゴジラ」映画を意識して撮りました。アントマンにしてもクリーチャーにしても「巨大化する」ということ自体がスリリングなことだと思うんですよね。実はやろうと思っていて実現しなかったアイデアが一つあって。それは劇中に“巨大化したポール・ラッド(アントマン役)が登場して、ゴジラみたいに物(街)を破壊していく”フェイクドキュメンタリーを撮ろうというものです(足をドンドンして街を壊す様子を表現する監督)。
――実は私はゴジラもウルトラマンも大好きな特撮オタクなので、そのようなアイデアがあったということは感激ですし、ぜひ見てみたかったです。
リード監督:本当ですか、あなたのようなゴジラとウルトラマンのオタクがインタビューに来てくれてすごくうれしいです(笑)。(フェイクドキュメンタリーに関しては)僕も本当に見たかったので、もし次の機会があれば、トライするかもしれません……!
――楽しみです。良ければ日本のファンに向けてもう少し詳しくゴジラ映画に影響を受けたシーンを教えてください。
リード監督:映画の終盤で、ホエールウォッチングをする観光客たちが登場するシーンがあり、「クジラが来たぞ〜」とそっちを見たら、実は巨大化したアントマンだった……というところなどがそうですね。水の中を動くシーンや、倒れたりというところが明らかにゴジラ映画の影響を受けています。
――今作ではゴーストことエイヴァ役のハンナ・ジョン・カメンさんが新たにメンバーに加わりました。最後に彼女のキャラクターについて教えてください。
リード監督:今回は“父と娘の関係”を描きたかったので、原作では男性のゴーストを映画版では女性という設定に変更しました。本当の親子ではないけれども、育ての父であるビル博士と娘のような関係を持つ非常に複雑なキャラクターです。「ブラックパンサー」や「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」では、明らかに強い悪役が登場しますが、今作では悪役ではないけれども、敵対する登場人物を作りたいと考えていたんです。ゴーストはすごく大きな力を持っていますが、その力が彼女自身を苦しめていて、彼女はそれを治療したいと考えています。あくまでも彼女が求めているのは治療であって、悪役になりたいわけではないのに、敵役に回ってしまうという点が観客の共感を得るのではないでしょうか。
映画「アントマン&ワスプ」は、8月31日全国公開。インタビュー後編(9月7日公開)では、主演のポール・ラッドさんに聞いた見どころなどをお届けします。
また新宿バルト9では9月6日まで、9月8日からはユナイテッド・シネマ豊洲にて、文房具で作品の世界観を再現したミニチュアアートが展示中されます(関連記事)。ホッチキスの芯で作られた構想ビル群に、マグネットで作られた街路樹、リングノートで作られた街並みなど、非常に繊細な作品となっているので、映画と合わせて世界観を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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円満に解決してほしいなあ。