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「3日間13万円くらい」で船舶免許は取れるキャプテンながはまの100万円で「船長」になる(3)(2/2 ページ)

昔は難関といわれていた一級小型船舶も、今は結構簡単になりました。

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「教習3日間で試験1日」、取得コストは一級で「13万円前後」から

 免許を取るというと、多くの人は自動車免許を思い出すことでしょう。普通自動車免許は「教習所へ1カ月くらい通って、費用は25万〜30万円」といったところですかね。お金はともかく、1カ月も通うなんて社会人にはちょっとハードルが高いと思います。大丈夫です。船舶免許は短期間で済みます。


ヤマハ発動機は船舶免許取得教習も実施している。コースによっては実技試験免除やスマートフォンアプリで学科を学ぶこともできる(出典:ヤマハボート免許教室

 船舶免許も、自動車免許と同じように学校に通って取得するのが一般的です。「教習3日間で試験1日」がよくあるスタイルです。学科教習をスマートフォンアプリなどで済ませつつ、操船実技教習を「1日だけ」受けて試験へ挑めるスピードコースもあります。試験は身体検査、学科試験、実技試験を1日で行うのですが、学校で実技試験相当の実習を受けておけば実技試験が免除になるコースも増えています。

 教習費用は、一級で13万円から、実技試験免除コースで約14万円前後が相場です。ちなみに二級は9万円から、実技試験免除コースで約10万円からです。


ちなみに二級学科教習では、通わなくてもスマートフォンアプリで学習できる「スマ免」コースを用意している(出典:ヤマハボート免許教室

 その昔、「一級の取得は難関」といわれた時期がありました。しかし2018年現在は、一級取得の難関だった実技試験において、一級と二級に違いがほぼなくなっています。もちろん依然として学科試験の設問に「上級運行I、II」があるなど、学科試験の範囲と難易度は相応に高くなりますが、こちらは教習学校で授業を受けていれば理解は容易です。独学ではちょっと難しいのですが、ここをプレッシャーに感じる必要はないでしょう。

 ちなみに教習学校は「まずは二級を取得して、ステップアップで一級を目指すのが簡単確実」と勧めてくるかもしれません。でも目的が「遠くを目指したい」と明確で、取得までのハードルの高さもあまり変わらないならば、時間も費用も抑えられるので一発で一級を取得してしまうのがよいと筆者は思います。


以前は一級と四級(今の二級相当)で実技試験で使う船が異なっており、一級は難しいとされていた。しかし今では全て同じ船を使うので一級も二級も実技の難易度は同じといえる(出典:ヤマハボート免許教室

一級の学科試験では運航科目で上級問題が出題される。主に海図の使い方に関する問題で作図をして航路を設定することもある(出典:ヤマハボート免許教室

船舶免許は一級でも短期間で安く取れる

 以上、今回は「船舶免許を取る」について紹介しました。要点をまとめると以下のようになります。

  • 船舶免許には、どこまでもいける「一級」と、陸から5海里までしか離れられない「二級」がある
  • 実技試験に違いがほぼなく、5海里制限もないことから、最初から「一級」取得を目指すことを推奨
  • 教習学校に行けば、一級でも3〜4日間/14万円くらいで取得可能
  • 最近はスマートフォンアプリで学科教習ができるスピード取得対応の教習学校もある

 ということで船舶免許は「教習3日間で試験1日」くらい。ちょっとだけがんばって取得してください!

 船も港も免許もそろったら、次はヨットの動かし方ですね。次回は「ヨットはこうして覚えよう」を解説します。

(続く)

長浜和也

 IT記者は仮の姿で本業は船長(自称)。小型帆船を三浦半島の先っちょに係留する“一人旅”セイラー。伊豆諸島を旅するため、学連経験やクルー修行をすっとばして、いきなり1級船舶免許を取得してヨットに乗りはじめて早20年。かつて船で使うデジタルガジェットを紹介する不定期連載も。

 →「海で使うIT」


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