いろいろな表紙デザインの“あるある”や作り方を表紙内で表現した「#それっぽくなる表紙」 がTwitterで話題になっています。
最近は送られてきた画像で「ない本」を作ったり、小説で小説の書き方を説明する「それっぽくなる小説講座」が話題になりましたが、それと同様に表紙で使われているデザインのアイデアを例とともに“表紙の文字”で紹介。例えば、ぼかした背景全面に書かれた「ほそい文字は全画面」や、ななめで軽く見切れた「見切れは 正義 傾けたほうが置きやすいです」など、写真やイラストに文字を入れる際に手軽に使える簡単な方法が説明されています。
また同時に「こういう表紙見たことある!」といった“あるある”としても楽しめ、その分説得力もあってわかりやすいので、参考にして試しに作ってみたくなります。マネして作ろうとしたときに難しすぎない、まさに「それっぽい」感じが素晴らしい。
投稿したのは、普段はアイキャッチ系の仕事をしているという秋野(@masicalbanana)さん。きっかけは前述した「それっぽくなる○○」がTwitterで流行しているのをみて、同じように気軽に始められる“表紙のススメ”ができないかと思ったことから。二次創作活動をしていると「表紙が作れないから同人誌出すのハードル高い」といった声をたまに見かけるそうで、そういった難しいと感じる人向けに表紙作りのハードルを下げられればと始めたとのことです。
そのため、商業向けといった本格的なデザインのことは考えず、あえてiPhoneのアプリ(「Phonto」と「ArtStudio」)ですべて作成。作業の中では、フリー素材サイトからの素材探しで30分から2時間ほど時間がかかることもあるものの、作業自体は約10分〜20分で完成。ただし、イラスト背景に「白抜きのエッジで光れ」の文字入れは、使用したアプリの関係上1時間くらいかかったそうで、可能ならば「Photoshop」などに移行して行った方が簡単かもしれません。
ちなみに秋野さんは短い時間の中で見せる職業上、視認性が悪めな“すごく細いフォント”は普段使わないそうです。そのため今回の中で「ほそい文字は全画面」などは新鮮なようで、“紙媒体あるある”なデザインも相まって作っていてめちゃくちゃ楽しかったとのこと。そんな映像やアイキャッチと、書店で見る紙媒体の違いを見て「異文化だなと思います」と秋野さん。言われてみると確かに、書籍の表紙デザインは「視認性が一番大事」というわけではないのがまた面白いところなのかも……。
Twitterでは「ステキ」「勉強になる」といった声とともに拡散され話題に。なお秋野さんは今回、仕事としてのデザインでは大事な部分となる「ちょっとでも手間のかかること」は絶対に取り入れない手順で作ることを意識したとのことで、あくまで気軽に始めるための遊びとして同ハッシュタグを使って投稿したり、使い勝手のよさそうなものを共有、または探すのに使うのがいいでしょう。
現在もさまざまなユーザーによって「#それっぽくなる表紙」での投稿はどんどん増えており、中にはネタ的なもの多く、表紙作りが身近なものに感じられると同時に、覗いて楽しいハッシュタグとなっています。
画像提供:秋野(@masicalbanana)さん
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