IUCN(国際自然保護連合)は、絶滅が危惧される種をまとめた「IUCN 絶滅危惧種レッドリスト」を発表。保全活動によりナガスクジラやマウンテンゴリラの個体数は増加して絶滅危惧リスクが低下しましたが、新たに魚のハタ類が絶滅危惧になっていることが分かりました。
ハタ類の減少は途上国などの過剰漁獲によるもの。ハタ類は経済的に価値のある魚ということで、全167種のうち13%が絶滅危惧になっています。
種類別にみるとナッソウハタ(Epinephelus striatus)が「危機(EN)」から「深刻な危機(CR)」に移動。カムフラージュハタ(Epinephelus polyphekadion)とガグハタ(Mycteroperca microlepis)が「危急(VU)」に分類されています。
ナガスクジラ(Balaenoptera physalus)の世界全体での個体数は1970年代からほぼ倍増。これまで「危機(EN)」に掲載されていましたが「危急(VU)」に分類されました。これは商業捕鯨の国際的禁止や捕獲数の大規模な削減によるものです。
コククジラ(Eschrichtius robustus)の保全状況も「深刻な危機(CR)」から「危機(EN)」に改善されました。
今回のレッドリストで明るいニュースは、ヒガシゴリラの亜種・マウンテンゴリラ(Gorilla beringei beringei)の生息状況が「深刻な危機(CR)」から「危機(EN)」に改善したこと。これは国境を超えた協同的保全努力とマウンテンゴリラの生息環境周辺に暮らしている地域社会の積極的な関与によるもの。
ただし、ヒガシゴリラの種全体としては依然「深刻な危機(CR)」に分類されています。
この他、アフリカのマウライ湖の3種の魚類(Oreochromis karongae, Oreochromis squamipinnis, Oreochromis lidole)が「深刻な危機(CR)」に、アフリカローズウッドの一種ヴェネ(Pterocarpus erinaceus)が「危機(EN)」に分類されています。
IUCNレッドリストの危惧のカテゴリー(上のほうが危惧が高い)
「絶滅 EX」または「野生絶滅 EW」
「深刻な危機 CR」「危機 EN」「危急 VU」:地球規模で絶滅危惧にある種
「準絶滅危惧 NT」:絶滅危惧カテゴリーの閾値に近い種、もしくは現在の保全措置が中止されると絶滅危惧になる種
「低懸念 LC」:絶滅の危険性が低いと評価された種
「データ不足 DD」:絶滅するかどうかを決めるにはデータが不十分である
※この他、既に絶滅していると思われる「深刻な危機 CR(絶滅の可能性)」というカテゴリーがあります。
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