カイジやキン肉マンなど漫画のキャラクターたちが、漫画の正規版と海賊版を見分けるマークを宣伝! 12月7日より「海賊版緊急対策ワーキンググループ」が海賊版撲滅キャンペーンの一環として、「ABJマーク」と各出版社の漫画作品がコラボしたビジュアル広告を全国紙5紙に順次掲載しています。
7日は毎日新聞朝刊であだち充さんの『MIX』。8日は朝日新聞朝刊で福本伸行さんの『賭博堕天録カイジ』と、産経新聞朝刊で羽海野チカさんの『3月のライオン』。12日の日経新聞朝刊はゆでたまごさんの『キン肉マン』。13日の読売新聞朝刊は吉崎観音さんの『ケロロ軍曹』です。
『3月のライオン』だと、主人公の桐山零が将棋を指しているシーンで盤上の駒が全て「ABJマーク」になっている……など、いずれも作中のある部分をABJマークに置き換えたビジュアルに。隣に「漫画を愛するあなた、いつものサイトにこのマークついてますか?」「スマホ、PCで漫画を読むときは、このマークのある正規版サービスで」とコピーをかかげ、マークの意味や価値を周知しています。
「ABJ(Authorized Books of Japan=公認された日本の本)マーク」は著作権者からコンテンツ使用許諾を正式に得ている、「正規の出版物」であることを示す商標。違法な海賊版サイトによる被害を防止するべく、出版広報センターが中心となって11月30日に策定しました。
マークは30日から正規の電子書店、出版社の配信・試し読みサービスなどに順次掲示されており、マークを使用したサービスのホワイトリストは電子出版制作・流通協議会のWebサイトで確認できます。現時点の使用申請者数は90事業者・396サービス。
「ウイルス、フィッシング詐欺等の危険がある海賊サイトと違って、このマークがあるサービスは安全であること。また正規版で読んでいただくことで著作権者にきちんと対価が支払われ、新しい次の作品を生み出す力になることを周知してまいります」と出版広報センター。キャラクターたちの呼びかけに応えるべく、利用サービスにこのマークがあるかどうか気にしたいところです。
(黒木貴啓)
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「合理的な費用負担の範囲で侵害者を探知する方法がある」ときっぱり。