シンガポール発の既存チェーン「ティラミスヒーロー」(現ティラミススター)に対し、アメリカで活動するイラストレーターGemma Correll(ジェマ・コレル)さんが、「ティラミスヒーローのロゴはオリジナルではなく私の作品をトレースしたものだ」とTwitterに投稿し話題になっています。被害者と思われていた“ヒーロー”のオリジナルは、一体どこなのでしょうか。
ジェマさんはTwitterで、「自分のオリジナル作品と『ティラミスヒーロー』のロゴの類似について、多くの人から問い合わせがあった」とのこと。ロゴ以外でも多くのイラストについて、作品がコピーされていると述べています。また、「ティラミスヒーロー」と「HERO'S」の問題について触れ大きく拡散された日本語のツイートに対し、「ティラミスヒーローのロゴはオリジナルではなく私の作品をトレースしたものです」と返信しています。
「ティラミスヒーロー」のイラストを描いていると思われるPeggy Chang(ペギー・チャン)さんは、自身のブログで読者からの「あなたのイラストはジェマ・コレルさんからインスピレーションを受けたものですか」という質問に対し、「その通りです、彼女の作品はとてもかわいい」と回答しています。
影響を受けていることを認めているため、これらのイラストはオマージュやインスパイアともいえるかもしれません。しかし、ジェマさんは「この件についての法的見解をお聞かせいただけるシンガポールか日本の弁護士はいませんか」ともツイートしており、今後なにかアクションを起こすつもりなのかもしれません。
「ティラミスヒーロー」は2012年8月に「The Tiramisu Hero」の名前でシンガポールで創業したティラミス店で、2013年8月から日本でも「ティラミスヒーロー」の名前で販売を開始していました。「世界一おいしいティラミスをつくる事に命をささげる猫がヒーローとなって瓶入りティラミスを販売する」というブランドコンセプトです。
そんな「ティラミスヒーロー」が最初に大きく話題になったのは、2019年1月半ば。国内のティラミス専門店「HERO'S」が「ティラミスヒーロー」やキャラクターの商号・ロゴを取得しているしていることが判明。
これにより、先行していたシンガポールの「ティラミスヒーロー」は、日本で従来のロゴや名前が使用できなくなってしまいました。現在は「アントニオヒーロー」と「ティラミススター」の2つの商品名に変更し日本展開中です。
「HERO'S」のやり方について日本国内から批判的な声が多数上がっていましたが、ここにきて「ティラミスヒーロー」にも商標関連のトラブルが発生する可能性が出てきました。
※ジェマさんはイギリス出身で、米カリフォルニア州・オークランドで活動中のイラストレーターですが、当初ニュージーランド・オークランドのイラストレーターと紹介していました。訂正の上、お詫び申し上げます(5月7日追記)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「悪質なパクリ」と「イノベーションに役立つパクリ」の差は ティラミス問題で読みたい一冊『パクリ経済』
パクリそのものの在り方が大きく変化しているいま、パクリ問題を立ち止まって真摯に考える必要がある。 - ティラミス専門店「HERO’S」 騒動めぐり回答 ティラミスヒーローの名でフランチャイズ募集は事実
SNSで既存のハッシュタグ「#ティラミスヒーロー」を用いて広告展開していたかについては、「当方で指定をしておらず、詳細については不明」。 - ティラミス専門店「HERO’S」騒動めぐり謝罪、ロゴ使用権をシンガポール発のティラミス店に渡すと発表
商標登録したロゴの使用権を、シンガポール発のティラミス店「The Tiramisu Hero」の日本側運営会社に渡すとしています。 - 三浦翔平起用のティラミス専門店「HERO'S」を巡り物議 人気店「ティラミスヒーロー」とコンセプトが酷似?
既存のシンガポール発のティラミス専門店とコンセプトが似ていることから混同を招くとネットで物議に。 - 「アプリ★ゲット」のスパイシーソフト、競合メディア「MoguraVR」の商標取得していた 露骨な“競合つぶし”ではとの声も
スパイシーソフトはVR情報サイト「VR Inside」を運営しており、「Mogura VR」とは競合関係にありました。