「アプリ★ゲット」のスパイシーソフト、競合メディア「MoguraVR」の商標取得していた 露骨な“競合つぶし”ではとの声も
スパイシーソフトはVR情報サイト「VR Inside」を運営しており、「Mogura VR」とは競合関係にありました。
ニュースサイト「Mogura VR」は11月13日、スパイシーソフトが保有していた「MoguraVR」の商標について、特許庁に無効審判請求を行い、受理されたと発表しました。スパイシーソフトは「VR Inside」というVRニュースサイトを運営しており「MoguraVR」とは競合関係にあったことから、「いくらなんでもいろんな意味でダメだろう」「どんな判断でこんなバカなことやってしまったんだろう」など批判の声があがっています。
「Mogura VR」はVR関連情報を専門に扱うニュースサイトで、Mogura社が運営。スタートは2015年2月と、国内のVRニュースサイトとしてはかなり早い段階からオープンしていました(国内初は「PANORA VR」の2014年11月)。一方「VR Inside」は2016年3月オープンと、VR情報サイトとしては後発でした。
MoguraVRの久保田瞬編集長によると、スパイシーソフトの商標登録に気づいたのは2017年の9月中旬。業界関係者から問い合わせがあり、確認したところ発覚したとのこと。スパイシーソフトからは商標登録に際し、事前・事後いずれのタイミングでも一切の連絡は受けていなかったといいます。
一方、スパイシーソフト(VR Inside)側にも問い合わせを行ったところ、次のような回答がありました。
VR Inside編集部です。
弊社は適正な出願を行い、特許庁から登録査定を受け、正式に商標登録をしております。
先方様は、長期間にわたり出願するタイミングがありましたが、何らかの理由で出願をされていらっしゃりませんでした。
また、商標掲載公報から2月以内に可能であった登録異議申立も行われていなかったようです。そのような背景もあり、弊社の商標登録を不正とすることは、難しい主張と考えております。
以上を公式コメントとさせていただきます。
久保田編集長によると、スパイシーソフトとは普段から接触があるわけではなく、先方の意図については分からないとのこと。しかし、サイトに掲載されたお知らせでは、同社の行為について「不正の目的に基づいた剽窃的行為」「公正な商取引の秩序を乱すもの」と強く非難しました。また今後については「特許庁が定めた無効審判請求の手続に従い、適切な対応をとっていく」としています。
スパイシーソフトは「アプリ★ゲット」などを運営するメディア企業で、1999年創業。メディア運営以外にアプリ開発なども行っており、2000年代には携帯電話向けアプリ「チャリ走」「糸通し」などがヒット。特に「チャリ走」はニンテンドー3DSやPS Vitaなどでもリリースされており、同社を代表するタイトルとなっています。
商標を巡るトラブルと言えばつい最近も、西村博之(ひろゆき)氏が持っていた「2ちゃんねる」の商標について、レースクイーン社が無効審判を請求し棄却されたのが記憶に新しいところ(関連記事)。これに関連してか、旧「2ちゃんねる(2ch.net)」は現在「5ちゃんねる」へと名称を変更しています。
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