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大人が「時が過ぎるのはあっという間だねー」と感じる科学的な理由がやや切ない

これが若さか……(かなわない)。

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 「時は金なり」と言いますが、お正月に「今年こそアレを始めようう」と思っていたのに、気付いたら何もしないまま4月になっていた、なんて人もいるのではないかと思います。子どものころと比べ、大人になると時が過ぎるのが速く感じられますが、これには科学的な理由があるという研究結果を米デューク大学が発表しています。

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時は逃げ去っていく(プルースト風に)

 思い返してみると、あっという間に過ぎてしまう大人の1年間と違い、子どものころの1年はもっと長く感じられたように思います。デューク大学のアドリアン・ベジャン教授によると、これには理由があり、年を取るにつれて人間の精神が取得する「イメージ」を処理するスピードが遅くなり続けているから、なのだといいます。

 これは老化による身体の変化が原因だとしています。網のように張り巡らされた神経と脳の神経細胞(ニューロン)は、成熟するにつれ規模と複雑さが増していき、信号(電気)はより長い経路をたどるようになります。信号がたどるネットワークは年とともに衰えていく上、信号が通る経路が長大化することで電気抵抗も増えていきます。

 その結果、人間は年を取るにつれ、処理できる新しいメンタルイメージが減っていくといいます。これは幼児の目が成人に比べてどれだけ頻繁に動くかによって証明されているとベジャン教授は説明しています。幼児は大人よりもイメージをより速く処理し、より多くの情報を入手して統合しているそうです。

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デューク大学の発表

 例えば、1日当たり子どもは100を処理できるのに対し、大人は10しか処理できないのだとしたら(あくまで例です)、子どもの1日は大人の10日に相当するのに、大人の10日は子どもの1日のように過ぎ去っていくということになります。鈍感になった大人からすると、子どもは「精神と時の部屋」にいるようなものですから、大人がだらだら過ごしている間に驚くほどの成長を遂げるのは当たり前、ということですね。

 これは老化によって“時間が減る”のだとも言えそうです。大人にとっては悲しい現実ですが、このことを十分に意識し、時間を効率的に使っていくために知恵を絞っていくことが大切になりそうです。

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