「店員さんが来ると黙るカラオケ」「謎に年の離れた友達」オタクの楽しさあるあるとは? 『トクサツガガガ』丹羽庭×劇団雌猫対談(2/3 ページ)
オタクって、楽しい……!
もぐもぐ: 原作最新刊の「旅のしおりを作る」回(140話「ぶつかれ!!!」)も、大好きなエピソードです。大人になってからオタクとして仲良くなった人たちの“青春やり直し感”がメッチャ好き。オタクをやっていると、なぜか同年代じゃない友人ができがちなんですよね。無駄に敬語だけどなぜか内容はフランクな話をしている、謎のつながりの友達。『ガガガ』は女の子の友情物語としても素晴らしい!
ユッケ: オタクってこんなにたくさん友達がいてすごい。確かに、オタクじゃない友達から「大人になって友達ってどう作るの?」ってけっこう聞かれます。
もぐもぐ: どうするんだろう? オタクじゃない人は……。年上の友人には人生相談ができるし、年下の友人には就活のアドバイスに乗ったりしている。劇団雌猫のメンバーのひとり・かんはK-POPが好きなんですけど、女子高生がいちばん情報が早いから、女子高生からいろいろ教えてもらっていると言ってました。
丹羽: 劇団雌猫さんたちは同年代ですが、学生時代からの知り合いだったんですか?
もぐもぐ: いえ、出会いはネットです。「この人のブログ面白いな〜友達になってほしい!」とナンパしたり、当時は特に親しくなかった中高の同級生とインターネットで再会したりで。それぞれなんとなくつながっていたんですが、「1回飲む?」って飲みに行ったらすごく盛り上がったのが劇団雌猫のはじまりです。今年で30歳を迎える4人が、会うたびにどうでもいい話をしている。
ユッケ: こういうのがオタクのめっちゃ楽しいところですね。
特撮はオタクの“交差点”
もぐもぐ: 「ガガガ」の主人公・仲村叶は、小さいころは特撮好きで、一度は“卒業”したものの、大学生から返り咲いたキャラですよね。丹羽先生も小さいころから特撮が好きなんですか?
丹羽: いえ、“目覚め”は大学のときなんです。日曜日に何気な〜く見ていた年が「仮面ライダー電王」ですごく面白くて。そのとき大学の同級生に特撮好きがいて、ススス……と近寄ってきて「『電王』と同じ監督さんの作品があるよ……」と別作品のDVD全巻を持ってきてくれたんですよね。50話一気見して、それがきっかけです。
ユッケ: 忍び寄る沼への勧誘!
もぐもぐ: 「電王」は盛り上がっていましたよね。有名な声優さんもたくさん出演していたので、アニオタと特撮オタの波が“合流”した雰囲気がありました。
丹羽: 劇団雌猫のみなさんは、特撮は見たことはありますか?
もぐもぐ: 毎年「入門したいなー」と思ってはいるんですが、ニチアサは朝が早くて……。
ユッケ: 子どもは毎週早く起きていてえらい……。
もぐもぐ: 毎週追いかけきれないので「溜めてから見よう」と思うと案外溜まりすぎて見られなかったり、かといって過去作だとボリュームにひるんでしまったりです。1クールドラマは10〜12話くらいなので、全50話の特撮はけっこう長丁場だなと。オススメを教えてもらいたいです!
丹羽: 1話30分なので、実はドラマ換算すると25話分くらいですよ! 「特命戦隊ゴーバスターズ」「激走戦隊カーレンジャー」などが個人的には好きです。「海賊戦隊ゴーカイジャー」も楽しい。最近のものだと、ネット配信もされています。
ユッケ: 今見ると「この小さかったあの子が今はもうこんなご立派に……!」となるかもしれないですね。佐藤健さん、オダギリジョーさん、菅田将暉さんは筆頭ですが、最近だと志尊淳さんとかも。
もぐもぐ: 特撮って、いろいろなものの交差点で面白いな……。2.5次元でおなじみの俳優さんが特撮に出演したり、その逆もあったりしますよね。
ユッケ: 友達から布教されるとけっこうスルッと入門できるし、アイドルが好きな人は戦隊にハマりやすいんじゃないかな。私、人間が集団でワチャワチャやっているのが好きで……。特撮の中でも戦隊が好きな友達が昔、「仮面ライダーは究極1人で戦える。戦隊は5人で戦う社会の縮図がある。戦隊を見ていると、私も企業戦士として戦える気がする」と言っていて。私も昔「獣電戦隊キョウリュウジャー」にハマったんですが、社会っぽさに惹かれていたのかもしれない。
丹羽: わかります。集団って萌えますよね。私、記念写真を見るのがすごく好きで。全く知らない人の記念写真でも萌えるんです。映画のオールアップの集合写真とか、Twitterで流れてくるじゃないですか。一時期「どうやればあの写真をもっと見ることができるんだ!?」と調べてまわっていました。
もぐもぐ: なんだろう、「オールアップ」「最高の仲間」とかで調べたらいいのかな?(笑)。知らない人や作品でもいいとなると、卒業アルバムとか見たら大興奮してしまうのでは……?
丹羽: あっ、卒アル楽しいですね。知らない人たちの思い出みたいなものを勝手に想像して盛り上がります。休んでいる人がいると、「なぜこの日に休んだ〜!?」といろいろ考えをめぐらせてテンションが上がります。
ユッケ: 萌えるものがなくなっても、「集合写真」で検索したらしばらく楽しめるんですね(笑)。
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