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ムーミンのいる暮らしって、どうですか? 「ムーミン日記」平成最後の春編ムーミン日記(4/4 ページ)

令和もムーミンといっしょ。

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4月1日

 新年度の始まり。この4月からまた学校で働き始めることになった。今日は午後から辞令交付式があるけれど、ムーミンはすでにテレビに釘付けである。

ムーミン日記

 「新しい元号はいったい何になるのでしょう?」

 平成元年生まれの身としても、元号などどうでもよいとはなかなか思えずどうしても気になってしまうのがほんとのところだ。そわそわしつつ、その時を2人で待つ。

ムーミン日記

 「時に、初春の令月にして、気淑く風和ぎ…ですか。R何年というのもかっこいい。新しい時代にふさわしい、これはなかなかよい元号なのではないでしょうか」

 新元号、どうやらムーミンのお気に召したようです。

4月某日

 春になればやっぱり、桜のことが気になる。桜なんて咲こうが散ろうがどうでもよかろうとは思えない。だって立ち止まって見上げればこんなに息を飲んでただただ時間がそこにある。いつまでも見ていられる、なんとも不思議な力に引っ張られるのだ。

 というか本音を言うと私は外でお酒が飲みたい。花よりだんご、よりもビール。ということでお弁当をこさえてしぶしぶの夫を引っ張り、近くの大きな公園にやってきた。

 「お花見ですか?いいですね、どうぞ楽しんできてください」と氏は言ったけれど、しかしこっそりかばんに忍び込むニョロニョロをジッととらえて離さないその視線は厳しかった。

ムーミン日記
ムーミン日記

 この日はまさにお花見日和、気温も高く汗ばむ陽気。ビールがどうしたっておいしい。お弁当を早々に食べ終えて、夫は横で昼寝を始めた。

 私の方はビールでは足らず、酎ハイを次々空けながらぼんやりと、人びとがそれぞれの浮島で宴を催している声が細波のようにやってきて、極楽とはこのことかと思う。今が今でしかないことが、こんなにも悲しくて、けれどうれしい。勝手にはらはらと泣きながら感極まれり、という横で夫はまだすやすやと眠っていたのだった。

 帰りに落ちている花びらを拾って、ムーミンにお花見のお裾分け。

ムーミン日記

 ムーミンが来てからちょうど半年が経つ。

 ところでムーミン、君がうちに来てから私の身辺ではいろんなことが起こる。主にうれしいこと、がんばりたいと思っていたことで、誰かに認めてもらえることが増えたのだ。そう、面と向かって言うわけではないのだけれど、目を向ければなんとなく、物知り顔のムーミンなのだった。

 これから一緒に過ごすはじめての、夏が来るね。

ムーミン日記
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