「うちに突然ムーミンがやって来た」。Twitterユーザーのかしわさんの投稿が話題になったのを、覚えている読者の方もいるのではないでしょうか(関連記事)。Amazonってところからかしわさんの誕生日を祝うためにやってきた特大サイズのムーミン(ぬいぐるみ)は、今もかしわさんの家に住んでいます。
ムーミンがいる暮らしって、どんなもの? これまでムーミンが家にいたことがないのでわからず、かしわさんに教えてもらうことにしました。ムーミンがいるなんでもない日常、ムーミンがいるクリスマス、ムーミンがいる年始。これはムーミンとともに過ごすかしわさんの日記です。
10月某日
ムーミンがとつぜん、家にやってきた。
それはほんとうに、なんの知らせも前ぶれもなく。
その日の夕方、いつものように食卓についてお茶を飲みながらうす曇りの空をぼんやり眺めていたらインターフォンが鳴った。
なんか頼んでたっけな。
明日は私の誕生日である。さては、サプライズと洒落込んだ夫の仕業だな。ハンコを持って玄関のドアを開けると、立っていたのはヤマトの配達員さんではなく、ムーミンなのだった。あのムーミン谷の…?はっとしてハンコをサッとしまう。ええと、とりあえずどうぞ中へ。そのままよければソファのほうへ。
はるばる、Amazon経由でうちへやってきてくれたらしい。夫に頼まれて、私の誕生日を祝うため? それはそれはということで、せっかくなのでしばらくうちに滞在してもらうことに。
こうして、私と夫とそしてムーミンの3人暮らしがはじまったのだった。
10月某日、ある朝
バタバタと夫を見送ったあとはムーミンと2人の時間である。昼食時には向かいに座って、話し相手になってくれる。ひとりの時は、いつも「ヒルナンデス」を観ていたけれど、最近はあまり観なくなった。
ムーミンはよく新聞を熱心に読んでいる。私たち夫婦は読まない日もあるくらいなので、購読しがいがあるってもんだ。えっ、他社紙と読み比べがしたい? うーん、それはちょっとお金もかかりますしね……。
11月某日
たまに、どうしても食べたくなるものってある。その日はピザだった。いつものように夕飯を食べ終えて、テレビを観ながらだらだらしていたのだけれど、なんか物足りない。夫もそうみたい。なんかこう、デザートっていうかわいらしいもんじゃないよね。今欲しているのは。ピザ、じゃない? ピザだね。ピザ……とっちゃうか。
といって勢いでとったピザ。ピザとは欲望そのものではないだろうか。ダイレクトにわれわれの味覚を、そして胃を喜ばせるピザ。うまい。ムーミンは匂いだけでおなかいっぱいらしい。私は1枚だけ残しておいて、翌日のお昼に食べました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- うちに突然ムーミンがやって来た 「お茶出さなきゃ」「今は夫と相棒を見ています」のリアルタイム報告にTwitter民ほっこり
きっかけは誕生日に届いた特大サイズのムーミンのぬいぐるみ。 - 「贔屓は人生の灯台」オタク女が宝塚で“運命”に出会い、精神と肉体の健康を得るまで
「贔屓への思いを自覚して早4カ月、10キロ痩せた」。 - 【食べたら更新】朝井麻由美の「ウニ日記」
幸せのオレンジ色を記録していく場所です。 - 銭湯では80歳の老女が「お姉さん」になる。なら、私は?――31歳ライターと“銭湯年齢”
「80歳でお姉さんならば、31歳の私は何者なんだ? まさか、幼女?」――姫野桂さんによる銭湯サウナエッセイ。 - ハッキリ言って「学校」は地獄だ。それでも私が教員として学校にとどまり続ける理由
何度も悩んで、今でも教壇に立っている。