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液体のりの成分で造血幹細胞を増幅 東大などが成功 安全で低コストな白血病治療に期待

これまで高価なウシ血清成分などで行ってきた培養が、液体のりの主成分「ポリビニルアルコール」でできるように。

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 白血病治療などに重要な造血幹細胞の増幅を、液体のりの主成分「ポリビニルアルコール(PVA)」で実現したことを、東京大学と米スタンフォード大学、理化学研究所からなる研究チームが発表しました。まだマウスでの実験段階ながら、人間に応用できれば、医療コストの軽減に幹細胞治療の進歩につながると期待されています。


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 造血幹細胞は、生体内に全血液および免疫細胞を供給してくれる細胞。血液疾患の治療時における骨髄移植に欠かせない細胞なのですが、近年は社会の高齢化もあってドナーが不足しており、生体外で増やす技術の開発が進められてきました。

 研究チームは、従来から細胞の培養に用いられてきたウシ血清成分や「アルブミン」が、造血幹細胞の安定を阻害することを突き止めました。とはいえ、こういったたんぱく質は、細胞分裂を行ううえで培養液に必要な物質。また、たんぱく質の酸化反応が細胞の老化を誘導することも明らかとなり、化学物質での代替が模索されることとなりました。

 その過程で、PVAがアルブミンの代替物質として有効と分かり、さらに培養液中で酸化されず、造血幹細胞の老化を抑える性質も判明。これにより、1カ月以上にも渡る造血幹細胞の増幅培養が世界で初めて成功しました。


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 こうして増幅されたマウスの造血幹細胞を、他のマウスに移植し骨髄を構築する実験も成功。この成果は、従来のように造血幹細胞を骨髄から取り出すのではなく、ドナーの血液から安全に採取して増やし、容易に複数の患者へ移植できることを示しています。また、日常的な化学物質である安価なPVAを用いるため、幹細胞治療のコスト削減にも大いに貢献するものとみられます。

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