山崎製パンから、新潟県民のソウルフード「イタリアン」をテーマにしたランチパックが発売されました。イタリアンを販売する2大チェーン店「みかづき」と「フレンド」それぞれのファンに配慮して、「ランチパック イタリアン風味」も選べる2バージョンでの展開です。
事情を知らない他県民は「同じ味のランチパックが2種類……?」と困惑しそうになりますが、当の新潟県民からは「正しい判断」「戦争を回避した」と称賛の声が上がっています。
そもそもイタリアンとは、ソース焼きそばにトマトソースを上掛けしたご当地グルメ。新潟市を中心に展開する飲食チェーン「みかづき」が考案し、後に長岡市の飲食チェーン「フレンド」でも販売されるようになりました。新潟県民の間でも、住んでいる地域や味の好みによって「みかづき派」「フレンド派」に嗜好が分かれる2大派閥となっています。
「みかづき」のイタリアンは野菜の甘みが前面に出たやさしい味のトマトソースが特徴。一方「フレンド」のソースは、トマトソースよりミートソースに近く、ごろごろとしたひき肉の味が強く出ています。「ランチパック イタリアン風味」も、それぞれのおいしさを再現し、しっかりと味の違いが分かるように差別化されています。
どのような経緯で異例の2バージョン展開に踏み切ったのでしょうか? 商品を企画した山崎製パン新潟工場は、ねとらぼの取材に対し以下のようにコメントしています。
当社では、地域振興の一環として、地元の特産品やご当地グルメを使用した「ご当地ランチパック」を発売しています。今回は、当社の新潟工場で、ご当地グルメの「イタリアン」をテーマに開発に取り組みました。
新潟市を中心とした下越エリアでは「みかづき」が、長岡市を中心とした中越エリアでは「フレンド」がイタリアンを提供するお店として人気であり、それぞれ地域の方のなじみの味になっているということから、2種類のランチパックを開発しました。
開発時にはみかづき様・フレンド様どちらにも話をさせていただき、両社共に面白い企画ですねとのお言葉をいただいています。
こうしたご当地ランチパック開発の背景には「地域復興」の狙いもあり、地域の実態をよりリアルに表すために、県民から愛される「みかづき」「フレンド」両方の味が再現されたわけです。
「ランチパック イタリアン風味」は6月1日の販売開始以降、1カ月で合計約7万個を出荷したといいます。地域ごとの2種類の出荷割合については、新潟市内を中心したエリアへの出荷は、「みかづき監修」が56%、「フレンド監修」が44%。対して、長岡市を中心としたエリアへの出荷は、「みかづき監修」が44%、「フレンド監修」が55%と数字が逆転しており、少なからずそれぞれの地域でなじみのある味が好まれる傾向にあるとのこと。
SNS上での反響を受け、山崎製パンは「今回のランチパックのように、ご当地グルメや特産品を使った商品など、地域の活性化につながるような商品開発に今後も積極的に取り組んで参ります」としています。
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