流し撮りの成功率を上げる方法(1)「集中する」:レースフォトグラファー奥川浩彦の「サーキットへ行こう」(6)(2/3 ページ)
撮れれば快感! 前編は原点に立ち返って「集中する」具体的な方法を紹介します。
流し撮りの成功率を上げるため、筆者は過去には「脇を締める」「息を吐きながらシャッターを切る」などさまざまなトライをしましたが、明確に効果を感じた方法はほとんどありませんでした。
その中で効果があったのが「集中する」と「一脚を使用する」の2つです。万人に効果があるとは言いきれませんが、ありそうな気がします。
「集中する」と聞いて、「何それ?」「そんな抽象的な?」と思った人は少なくはないと思います。でも一周回って大切なのは「集中する」でした。続いて、その具体的な方法を紹介します。
集中して撮影するためのテクニック(1):AFポイントを1点にする
カメラメーカー、機種によりそれぞれですが、オートフォーカスのモードを複数選択できます。筆者が使用しているEOS 7D Mark IIには「1点AF」「領域拡大AF」「ゾーンAF」など複数のモードがありますが、主に「1点AF」を使用しています。
実際の表示は、AFポイントを選択するときには65点のAFポイントが表示されますが、撮影時は1点だけ表示されます。撮影時、筆者のファインダーには以下の図のように表示されています。
詳細を説明します。上部の十字は前後左右の水平を示すもの。左下の「Tv」はシャッター優先モード、「□H」は連写、「AI SERVO」はフォーカスモード。全体のグリッド表示は横6マス、縦4マスで3:2。上下方向の1マス減らせば縦3マスで、6:3=16:8=18:9とフルHDの16:9に近い比率にもなるので、フレーミングのガイドとして利用しています。
フォーミュラは「ヘルメット」、SUPER GTは「エンブレムやロゴの1文字」に合わせる
1点のAFポイントをF1やスーパーフォーミュラならヘルメット、SUPER GTならフロントのエンブレムやボディー横のロゴの1文字に合わせてカメラをスイングします。次の写真は撮影時のファインダーを合成で作ったものですが、このようなイメージでAFポイントを合わせて撮影しています。
領域拡大AFやゾーンAFでも撮影は可能です。しかしこれらのモードで撮るとスイング中にAFポイントが動きます。スイング中にファインダー内のAFポイントが上下左右に動くと気が散ります。「1点AF」を使用する理由は、被写体の1箇所に集中するためです。ごくまれにより狭い部分に合焦する「スポット1点AF」を使うこともありますが、その話は次の機会があれば説明しましょう。
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