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流し撮りの成功率を上げる方法(1)「集中する」レースフォトグラファー奥川浩彦の「サーキットへ行こう」(6)(3/3 ページ)

撮れれば快感! 前編は原点に立ち返って「集中する」具体的な方法を紹介します。

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集中して撮影するテクニック(2):フレーミングにゆとりを持つ

 ゆとりを持ったフレーミングにすることも方法の1つです。ギリギリのフレーミングだと「フロントノーズが切れないか」「リヤウイングが切れないか」などとスイングしながら気になり、つい視線が移動しがちです。「PCで後からトリミングすればOK」と割り切ると、そこに気が散らず、AFポイントに集中して撮ることができます。

流し撮り サーキット レース
これくらいフレーミングにゆとりがあれば、被写体の前後が切れることを心配しない分、撮影に集中できるようになる

集中して撮影する方法(3):欲張らずシンプルに撮る

 コーナーのアウト側で撮影をすると、コーナーによっては進入、クリッピングポイント、立ち上がりと3パターンの撮影が可能です。がんばれば、進入はスローシャッター、クリッピングは高速シャッター、立ち上がりはスローシャッターと、一連の撮影の間にシャッター速度を変更して撮ることもでます。

 筆者も以前は欲張って撮影をしていました。次の写真はマレーシア・セパンサーキットの1〜3コーナーで撮ったものです。1コーナーはマシンのハイビームの影響があるのでマニュアルモードで高速シャッターで撮影し、すぐにシャッター速度優先モードに切り替えて2コーナー、3コーナーはあらかじめセットしておいたスローシャッターで流し撮り。撮影する度にカメラボディーの左肩のモードダイヤルを回しながらの撮影するのです。

流し撮り サーキット レース
セパンサーキットの航空写真(画像:Googleマップから)。赤線がマニュアルモードで高速シャッターの撮影、すぐにシャッター速度優先に切り替え青線、緑線がスローシャッターの流し撮り
流し撮り サーキット レース
特徴的なコースレイアウトを縁石を入れて撮影。マニュアルモードで撮影
流し撮り サーキット レース
シャッター優先モードに切り替え、シャッター速度1/40秒で撮影。この2枚は同周回の写真
流し撮り サーキット レース
走り去るマシンをそのままシャッター速度1/40秒で撮影。この写真は別の周回に撮ったもの

 古い撮影で当時の記憶はおぼろげですが、残っている写真を見ると、1コーナーと2コーナー、1コーナーと3コーナーが撮れているものが多く、1コーナー、2コーナー、3コーナーと連続して成功していた写真はありませんでした。

 欲張っても撮れないことはありません。しかし「コーナーへの進入だけ撮る」「立ち上がりだけ撮る」と分けて撮影する方が、同じ動作の繰り返しになるし、スイング動作もシンプルになるので、成功率は上がる気がします。

集中とは、「気が散ることを排除してシンプルに撮る」こと

 これらの「集中する」方法は、つまり「集中を妨げるものを排除する」ことです。

 集中を妨げるものには、疲労や暑さや寒さ、心が折れそうになる雨などの体調や天候の要因もあります。つまり、暑さ対策、雨対策などをちゃんと準備をすることでも、流し撮りの成功率を上げることにつながるはずです。

 次回は、流し撮りの成功率を上げるもう1つの手段「一脚の使い方」を説明したいと思います。

奥川浩彦

 メルコ(現:BUFFALO)の広報担当、イーレッツで「線上のメリークリスマス」などを世に送り出し2006年末に広報コンサルティングを行うiPRを起業。海外ベンダーからスタートアップのローンチまで、さまざまな企業の広報を支援。副業はフォトグラファー兼ライター。

 レース初観戦は1981年。F1日本グランプリは1987年から皆勤賞(継続中)。インプレス・Car WatchでF1撮影記「撮ってみましたF1日本グランプリ」などを連載。レースシーズンは本業の傍らフォトグラファーとして、F1、MotoGP、SUPER GT、スーパーフォーミュラなど各地のサーキットを転戦し、レース写真とともにレースの楽しさを伝えている。


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