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「ママチャリの電アシ」と何が違う? 欧州系e-bike「Tern Vektron S10」買っちゃった「Tern Vektron S10」ロードテスト(1)(2/3 ページ)

「趣味用スポーツ自転車に電動アシストなどいらねー」などと言っていた筆者が心変わってe-bikeにドハマリ。ママチャリ型電アシ自転車と何が違うのか、そしてなぜ買っちゃったのかを冷静に振り返ります。

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e-bikeは電力を「速さ≒楽しさ」にも振っている

e-bike Tern Vektron
ミニベロ沼にはまった筆者が選んだのが、同じミニベロスタイルのe-bike「Vektron S10」。ボッシュ製電動ユニットを搭載する

 ということで筆者は2019年に入り、遅ればせながらVektron S10を購入しました。最初からe-bikeに興味があったわけではなく、もともとは折りたたみ自転車やミニベロが好きで、Vektronを買うまでのメインバイクはカリカリにカスタマイズしたDAHONでした。シマノ 105(ロードバイク用コンポーネント)で22速化したり、軽量ホイールを入れたりといかにも「ミニベロ沼」にはまってしまったやつです。

 ロードバイクでもクロスバイクでも、スポーツ自転車乗りの人ならば共感してくれる方が多いかと思いますが……e-bikeというジャンルを知ったときの第一印象は「スポーツ自転車に電動アシストなどいらない」でした。筆者は自転車を単なる移動手段ではなく、乗ること自体を楽しむ趣味の乗り物ととらえているので、日本でのイメージで先行する実用車、端的にはママチャリ型電動アシスト自転車のような「楽な自転車」というイメージから入るとその良さにピンと来なかったのです。


e-bike Tern Vektron
ボッシュ製e-bikeユニットを搭載

 しかし、別の車種を目当てに訪れた試乗会で初めて乗ったVektronに衝撃を受けました。「こ、これは僕らが知っている電アシ自転車とは別の乗り物だ!!」と。ママチャリ型電動アシスト自転車が電動モーターで「快適」「楽」をアシストするものだとすれば、e-bikeはそれを「速さ(≒楽しさ)」にもかなりガッツリと振り分けていました。

 もちろん、日本での法規制上、時速24キロまでとなる電動アシスト上限は同じです。そのためスペックからは伝わりにくいのですが……乗ってみると「あれ!」「オッ」と意外なほどに分かる違いがあります。何というか、出足の力強さ感、レスポンスなどが「速く楽しく走るために味付けされている」と感じられるのです。

本格e-bikeユニットを20インチ小径車に載せてしまった「キワモノ感」に惚れた

e-bike Tern Vektron
折りたためる小径車はいろいろ利便性もいい

 そしてもう1つ、Vektronは日本初上陸のボッシュ製ユニットを搭載したe-bikeであると同時に、本格的なe-bikeユニットを20インチの小径車に載せてしまったキワモノでもあったことです。しかし、これが意外にも相性抜群で、強力なアシストで一気に加速していけるおかげでミニベロとは思えないほど出足から安定感があります。

 その他の装備に目を向けても、しっかりと油圧ディスクブレーキを装備していたり、Ternの他の車種ならばオプション設定されているような可変ステムやハンドルにすっきりと収まるLEDライトが装備されていたりと、基本価格で30万円に達するだけのことはある充実ぶりでした。

 こうして不思議な魅力に取りつかれてしまい、e-bikeには興味がなかったはずの筆者の自宅に「Vektron S10」がやってきました。次回から、この未知なる乗り物を複数回に分けてレビューしていきたいと思います。

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