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酷道ならぬ「険道」ご存じですか? 地図に載ってない幻の県道「神奈川県道701号」を歩き通してみた(2/3 ページ)

幻の険道!? 県道701号、果たしてどんな道なの……?

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舗装もない山道に そして、道ではなく「草むら」「登山道」レベルに

 続いて伊勢原市方面へ進みます。途中数軒の民家がある、クルマがすれ違うには十分な幅員の、普通に舗装された道です。

車道ではありますが、相変わらず県道らしさはありません
これが「県道」とすると小規模に感じるかもしれませんが、普通に舗装された道です

 寺山と蓑毛(みのげ)の境、中丸沢に掛かる久保橋を渡ります。一般の地図ではここから先は道が描かれていません。道路台帳のコピーを見ながら進みます。

中丸沢を久保橋で越えます
中丸沢を久保橋で越える

 橋を越えるとまた道が二手に分かれていました。右はゴルフ場の裏口へ通じる道。県道701号は左です。

 看板には「ハイカーのかたはハイキング道路をご利用ください」と書かれていました。えぇぇ? この道はハイキング道じゃなくて、一応県道なんですが……!(2回目)

明らかにゴルフ場の道路のほうが整備されています
明らかにゴルフ場の道路の方が整備されているが、行く先は左の県道701号

 山道ですが、しかもハイキング道路などと言われてしまいましたが、人が辛うじてすれ違えるくらい幅はあり、舗装がしてあります。

 途中、ほこらがありました。ほこらには、大山道と書かれた道標石が。この県道701号が向かう大山は、古くは関東一円から大山詣りの参拝客を集めていました。

 そう、この県道701号は昔の大山みち「大山古道」なのです!

どんどん進んで行きます
どんどん進んで行く
道の脇にはほこらが。
道の脇にはほこらが

 こういったことが分かってくるとテンションも上がってきます。しかし、道はどんどん険しくなっていきます。

草木が行く手をはばむ
草木が行く手をはばむくらいに

 道はさらに荒れていきます。うぉぉーっ。舗装が土に還っている場所までありました。

路面がえらいことに!
路面がえらいことに!
右を見るとゴルフコース
ふと右を向くと、ネットで遮られたきれいなゴルフコース

 ふと右を向くと、景色の開けた、きれいなゴルフコースでした。まさに天国と地獄……は言い過ぎか、日常と非日常のまさに境目といった趣です。ゴルフ場のお客さんと視線が合ったら、なんかちょっと気まずいかもしれませんね……!

 この先も県道701号を、ゴルフコースのそばに寄ったり離れたりしながらテクテクと。ついに舗装もない山道になりました。

わたしの知ってる県道じゃない
わたしの知ってる県道じゃないレベルに

 さすが幻の県道。まさに「険道」です。つづら折りのカーブをヒイコラいいながら登っていきます。

そりゃハイキング道路扱いもされますわ……!
そりゃハイキング道路扱いもされますわ……!
これは一般的には「道」ではなく「草むら」と言います
これは一般的には「道」ではなく「草むら」というレベルに
もしくは「茂み」のほうが正しいかもしれません
もしくは、「茂み」の方が正しいかもしれない

 「胸の高さまである草」をかき分けながら進みます。繰り返しますが、ここは県道です。位置を確認しながら進んでいますが、あまりの道の険しさに「ルートを外しているのではないか」という不安に都度襲われます。道も険しいけれど、精神的にもきびしいです。

案内標識を発見。ほっ
案内標識を発見。ほっ

 案内標識を確認しながら進みます。整備されたゴルフ場の外にあるやぶの中の案内標識は、なかなかシュールです。

なんとなく、「課金と無課金」という単語がよぎりました
なんとなく、「課金と無課金」という言葉も脳内をよぎった

 雨水が作ったと思われる深い溝が山道を浸食し、さらに険しさを増す険道701号。

道と呼べない道を進みます
雨水によって深い溝ができてしまった、もはや道とは呼べない道を進む

 わたしは! これを! 道路とは認めない!!

 それでも、道路台帳のコピーと標識だけを頼りにひたすら進みます。急勾配の坂を一気に登り、振り返ると、ぱぁぁと開けた秦野市を一望できました。

この日は曇りでしたが、晴れていれば絶景かもしれません
この日は曇りだったが、晴れていれば絶景なはず
いより不動明王の像があります。2015年に有志の手によって復元されたそう。
いより不動明王の像があった。2015年に有志の手によって復元されたそうだ

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