大日本印刷は8月27日、タブレット端末上で瞬時に修正できる電子楽譜活用アプリの提供や、オンデマンド印刷による紙の楽譜の販売など、統合的なサービスを提供する次世代型の楽譜流通販売事業を開始すると発表しました。演奏者自身が楽譜に修正を加える「移調」をできるのが特徴。
提供されるアプリ「MuseCloud(ミューズクラウド)」は、世界的な電子楽譜のファイルフォーマット規格「MusicXML形式」に対応。例えばトランペットなどの管楽器では、演奏上の都合で、楽曲の形を変えずに音域を読み替えて原曲から「移調」することがありますが、MuseCloudでは、あらかじめ電子化された楽譜の“調性”を読みこむことで、アプリに組み込んだアルゴリズムを使って簡単に「移調」することができます。
またオーケストラが使用する総譜には、登場する楽器全ての譜面が記されていますが、MuseCloudを使えば、担当楽器のみのパート譜を表示させられるとのこと。
アプリ自体は無料での提供(iOS 12.0以降のiPadのみに対応)ですが、楽譜の価格はタイトルごとに異なります。
DNPは「MuseCloudで電子楽譜を制作・管理し、ピクシブが運用する創作物の総合マーケットサイト『BOOTH』の楽譜販売ページで販売します」と電子楽譜の流通チャンネルの構築について触れ、「購入した電子楽譜は楽譜活用アプリ「MuseCloud」で利用できます」としたほか、「DNPのハイブリッド型総合書店『honto』でも今冬より販売開始予定です」としています。
また今後についてDNPは「楽譜を所有する国内外の出版社や所蔵機関と、楽譜を利用する演奏者の両方にサービスを提供し、楽譜の印刷・販売、アプリ関連のサービス提供も含め2022年までに6億円の売上を目指します」と締めくくっています。
(Kikka)
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