今のギャグ漫画は「テレビを基準にするやり方だとちょっとまずい」――『トマトイプーのリコピン』大石浩二に聞く、「面白かったね」で終わらない方法(2/6 ページ)
「虚構新聞・社主UKのウソだと思って読んでみろ!」第99回。
――実際、Twitterで『リコピン』のネタが回ってくるのを何度も見かけましたし、そういう意味で先生の狙いはうまくいっているように見えます。
今は思ってないですけど、「ソシャゲ」回なんかはSNS受けを狙ってた時期に描いたもので。とにかく月曜日に「ジャンプ」が出て、『リコピン』が一番話題になってほしいって思ってました。ただ、ある意味、話題になってはいたんですけど、紹介のされ方が「ジャンプの漫画が」になってるんですよ。「リコピンが」じゃなくて。「何でジャンプの宣伝してるんだろう。ジャンプは宣伝しなくていいだろう」って。
――(笑)。ネット基準なのに、リコピンの身長が「梅沢富美男の顔1.5個分」とか出てきますけど、梅沢さんはセーフなんですね。
梅沢さんはまあ、あそこまで昔の芸能人だと大丈夫かな、と。『リコピン』はすごく新しいかすごく古いかのどっちかなんですよね。みちょぱか梅沢、みたいな。
――梅沢さんに限らずですが、偽名・伏せ字慣れしてる読者からすると、リアルネームが飛び交う『リコピン』は読んでて結構ヒヤヒヤするんですが、あれ大丈夫なんですか?
いや、怖い思いをするのは、僕じゃなくて担当さんなんで。僕は怖がらずにやって、怒られたら全折れしようと。僕の中のジャッジとしては「企業とか芸能人とか大きいところには強く出よう。その他大勢の人を傷つけるようなものはやめよう」っていうのがあって。それでもたまに暴走することがあるんで、そこは担当さんが止めてくれます。
――個人的に一番「これヤバい」ってヒヤヒヤしたのは3巻の「受信料」の回(第28話「リコピンのひみつきち」)でした。よく載りましたね、これ……
「受信料払え」って来た人の態度が悪くてムカついたんですよ。僕、ちゃんと受信料払ってるんですよ。BS・CS映らないのに、その分も払ってて。値段がどうとかじゃなくて、今はいくらでも見られなくする方法があるのに、何でやらないんだろう。まあでも、こういうことをして何かあったら「全部僕が勝手にやった」って切り捨ててもらっていいんで。
――カッコいいですね! ギャグ作家さんとしての矜持(きょうじ)を感じます……!
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