JAF(日本自動車連盟)は、「信号機のない横断歩道」における歩行者優先についての実態調査を全国で実施し、結果を公開しました。調査期間は2019年8月15日〜29日。
調査は信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている場面で、一時停止したクルマを都道府県ごとに集計。各都道府県2カ所ずつ、全国合計94カ所の信号機が設置されていない横断歩道を通過する車両(9730台)を対象に調査が行われました。
調査の結果、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は1660台で、一時停止率は17.1%(全国平均)という結果に。前年の調査時と比べて8.5ポイント増加となりましたが、それでも8割以上の車は一時停止をしませんでした。
都道府県別に見ると、一時停止率が最も高かった長野県では68.6%だったのに対し、三重県では3.4%と、地域によっても大きく差が見られました。一時停止率トップの長野県は2016年の調査開始時から1位を継続しており、一時停止率も過去最高の結果になりました。
ドライバーが一時停止しない理由について、JAFが2017年6月に行ったインターネット調査によると、「自車が停止しても対向車が停止せず危ないから(44.9%)」「後続から車がきておらず、自車が通り過ぎれば歩行者は渡れると思うから(41.1%)」「横断歩道に歩行者がいても渡るかどうか分からないから(38.4%)」という結果が上位を占めました。
本来、道路交通法では車が横断歩道を横切る際、明らかに歩行者がいない場合を除いては、横断歩道の直前で一時停止しなければならないと定められています。JAFはドライバーが横断歩道の手前で減速し歩行者の優先を呼びかけるとともに、歩行者も横断の意思表示をするなど、お互いに安全に努めるよう呼びかけています。
(大泉勝彦)
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