冬場にかけて注意したいのが、ノロウイルスによる感染症です。事前に準備しておいたほうがいいグッズや、予防のためにできる対策について、ダスキンが飲食店厨房向けの衛生管理提案事業のノウハウを生かし、家庭でできる対策を紹介しています。
事前にグッズをそろえておこう
ノロウイルスの主な症状は、嘔吐、下痢、腹痛、発熱です。ノロウイルスの感染経路は人から人が多く、嘔吐物の適切な処理が、二次感染を防ぐ大切なポイントになります。
そのため急な嘔吐に対応できるよう、グッズを常備しておきましょう。具体的には、塩素系漂白剤/空のペットボトル(500ml)/じょうご(金属製)/キッチンペーパー/ごみ袋(2枚)/レジ袋(2枚)/手袋(使い捨て)/マスク/レインコート(使い捨て)/段ボール片/ゴーグル(メガネで代用可)/バケツです。
メガネは、ゴーグルのような形状(花粉対策メガネのような形)のものが望ましいですが、普通の形のメガネ(普段使いでないもの)で代用可能です。消毒液や嘔吐物が処理の際に目に飛んでしまわないようにするためのものなので、必須度は手袋より低いそうです。
嘔吐物の処理は適切に
実際に、嘔吐物を処理する手順です。まず消毒液を作ります。使用するものは、塩素系漂白剤、ペットボトル、じょうご、手袋、水です。
- ペットボトルに水を半分程度入れる
- 塩素系漂白剤をペットボトルのキャップ2杯分入れる
- 水を入れてフタをし、振って混ぜ合わせる
嘔吐物を処理する際には、レインコート、手袋、マスク、メガネを着用し、足にはレジ袋をかぶせます。処理をする人以外はその場を離れます。
- 消毒液を浸したキッチンペーパーを敷き詰め、消毒液を飛び散らないようにかける。
- 段ボール片のヘラで内側に向かって拭き取りながら集める。
- キッチンペーパーや段ボール片をごみ袋(一次回収袋)に入れて消毒液をかける。
- 一次回収袋の口を固く閉じて、ごみ袋をさらに二重に重ねる(二次回収袋)。
- 嘔吐物を取り除いた床面をキッチンペーパーでおおい消毒液をかける。周辺を消毒する。
- 手袋やレインコート、マスクを二次回収袋に入れ、袋を閉じる。
- しっかり手洗いとうがいをする。
また、嘔吐物は想像以上に広範囲に飛び散ります。ダスキンが嘔吐物をヨーグルトに代えて実験を行ったところ、2メートル先まで飛び散ることが分かりました。周辺を消毒する際には、少し広範囲に行った方が良いでしょう。
日常からできる予防法
ノロウイルス対策には、アルコール消毒はあまり効果がありません。食品は85度以上で90秒以上加熱するようにしましょう。また、トイレに入ったあとの手洗いが不十分などで調理器具やふきんにウイルスが付着することがあります。そのため、調理器具やふきんは85度で1分間加熱・煮沸し、消毒したものを使うようにするとよいでしょう。
また、正しい手洗いをして、ノロウイルスを持ち込まないようにすることも予防につながります。
(高橋ホイコ)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 会社、家庭で集団感染しないために インフルエンザにかかった後の“正しい対応”
例年、“ブラック企業のダメ対応”が話題になりますが、厚労省が勧める対応は? - 【マンガ】「畜産・農業の施設へ無断で入るのはダメ」 意外と知られていない畜産農業界のNG行為とは?
大切な動植物を守るために知っておきたい情報です。 - 風疹の予防接種、39〜56歳男性にも原則無料で 2019年から3年間
抗体検査と予防接種を無料にするかどうかは、各自治体の判断となります。 - 首都圏で風しんが感染拡大 アメリカ疾病対策センターが妊婦に日本への渡航を自粛するよう勧告
警戒レベルを3段階の2番目である「勧告」に引き上げています。 - インフルエンザ予防に一番効果的なのは「手洗い」 コミュニティーサイトが医師1000人によるアンケート結果を発表
「人ごみに行かない」なども有効との回答が多かった。