メルカリ総合研究所が、「100円以下の利益でフリマアプリに出品する利用者」の意識・実態調査を実施し、12月5日にその結果を発表しました。この調査では、たとえ利益が少額であっても、フリマアプリで出品したものが売れることで「承認欲求が満たされる」と感じる人が多いことが明らかになっています。
調査の対象となったのは、全国のフリマアプリ利用者1030人。「100円以下の利益でフリマアプリに出品する頻度をお答えください」という質問では、フリマアプリに出品している利用者の22%が、「3回に1回以上」の頻度で、100円以下の利益でフリマアプリに出品をしていると回答しました。こうした少額取引利用者は男性は36%、女性は63%と、女性が多いようです。
こうした、少ない利益で取引を行う「少額取引利用者」のフリマアプリ利用目的のトップ3は、1位「不要品を処分するため(73%)」、2位「捨てることがもったいないため(62%)」、3位「お金を得るため(59%)」。このうち、2位の「捨てることがもったいないため」は、高額取引利用者と比べ、約16ポイントも多く回答されているのが特徴的です。
同様に、「少額取引利用者が商品が売れた瞬間に『嬉しい・楽しい』と思う理由」を聞いた質問では、「使えるモノを捨てる罪悪感がなくなるから(63%)」という理由が1位になっています。また、同じ質問では、男性は「他者に評価されたと感じるから」の回答が女性より多く、女性は「使えるモノを捨てる罪悪感がなくなるから」という回答が男性より多いという結果でした。
「メルカリハイ」?
調査では、少額取引利用者の約6割がフリマアプリでの商品販売に「ハマっている」と回答しました。マーケティングライターの牛窪恵さんは、一部のユーザーについて「『メルカリハイ』と呼ぶべき心理状況」があることを指摘しています。
牛窪さんによると、メルカリハイとは「メルカリに出品した商品が売れると、『誰かに価値を認めてもらえた!』と嬉しくなり、つい普段から『他にも何か売れるモノはないか』と探してしまうこと」。調査では、全体の7割が、商品が売れることで「承認欲求が満たされる」と回答しています。これは「SNS投稿にコメントが入ることで承認欲求が満たされる」という人の割合よりも高い結果でした。
梱包や発送に手間がかかったり、利益が少額だったりもしますが、こんな背景もあり、フリマアプリで出品を続ける人が増えているのかもしれません。
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