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いまだ破られぬ詰将棋の手数最長記録(1525手詰) 作者に聞く「盤上の『ミクロコスモス』はいかにして生まれたか」(5/5 ページ)
約30年前、22歳の若者が打ち立てた詰将棋界の金字塔。
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「ミクロコスモス」手順解説
ミクロコスモスにおける玉の旅路を見ていこう。複雑に見える本作品だが、「と金送り」「持駒変換」「香の位置変換」「馬鋸」という4つの技法の組み合わせで構成されている。数学的に書けば「(と金送り+持駒変換)×香の位置変換×馬鋸」だ。技法同士の掛け算が、長手数を生み出す強力な仕掛けになっている。
現代の長編世界では「べき乗」「指数関数」の構造を持つ作品もあり、研究が進めばミクロコスモス越えの作品も出てくるかもしれないのだという。歴史は新しい記録の更新を静かに待ち続けている。
同上。こちらは英語による解説
※本記事の盤面の画像には、将棋GUIソフト「将棋所」を使用しています。
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