1日中家にいるはずなのに荒れている部屋――「子持ちの専業主婦ってどうしてそんなに忙しいの?」を説明した漫画に、育児中のパパやママから反響が届いています。作者は、Twitterやブログで育児漫画や、育児の大変さを訴える漫画を公開している、ちくまサラ(@chikumababy)さんです。
帰宅すると、食器はそのまま、洗濯はまだ……。その様子を見て「子持ちの専業主婦は1日中家にいるのになぜ忙しいの?」と思う人もいるかもしれません。そんな疑問に答えるべく、作者のちくまさんが説明してくれます。
まず、子どもは目が離せないのです。何でも口に入れたり、何にでもぶつかったりして危険なことも多いため、ゲームをしたり、テレビを見たりしながらの「ながら見」をすることはできません。常に目を配り、構ってあげる必要があります。その間は家事が止まってしまうこともしばしば。
おとなしい子ならおんぶしながら掃除をしたり、ベビーサークルに入れて家事をしたりすることもできます。一方で、おんぶ拒否や親が離れただけで大号泣の子もいます。「家事をしている時くらい放っておけば」と思うかもしれませんが、大号泣の我が子を放置している罪悪感と虐待の通報やサイレントベビー(※医学用語ではなく俗称で、泣いていても放っておかれたり必要なお世話をされなかったりすることで、泣いたり笑ったりしない静かな赤ちゃんになるという1つの考え)になるかも、と常にママも悩みながら対応しているのです。
さらに、「子どもが寝てる間にすればいいじゃん」という意見もありますが、実際にはよく寝る子ばかりではなく、入眠までに時間がかかる子や、ママが隣にいないと寝ない子、そもそも寝ない子もいます。寝たとしてもいつ起きるかわかりません。予定の立たない中、都度、やることに優先順位をつけています。そんな日々の優先順位は、子どもの世話、自分のトイレ、夫の夕飯作り、自分のご飯や家事、そして、身だしなみとなり、なかなかトイレに行けず、膀胱炎になったママもいるほど。
1日の中で、特に子どもの夕飯から寝るまでの忙しさはピークで、ほぼすべての家事がストップ! クタクタになったママは一緒にウトウト。でも、家事はまだしっかりと残っているのです。子どもが眠っている平和な風景の裏には、1時間おきに起こされ、やっと子どもが眠ったところという可能性も! そんな風に頑張っているママに向かって「一日家にいたんでしょ? 何してたの?」は禁句です。
育児の「忙しさ」はわかりやすい忙しさだけではないのです。「目が離せない」という忙しさもあり、子どもの命を守らねばならず、神経も使います。YouTubeやテレビをずっと見せていれば楽かもしれません。もちろん、その力を借りることもありますが、子どもの脳や体の成長のため、なるべく見せっぱなしにはしないように頑張っているのだとちくまさん。それに、そもそも好きで結婚した相手が疲れていたり辛そうだったりしたら、攻めるのではなくいたわって欲しいといいます。他人の辛さを勝手にジャッジせず、誰かと比べないことも大切だと訴えています。
育児の場面ではいくつものことが並行して起こり、体力も気力も削られ、やっていたことが後回しになったり、忘れてしまったり……ということもしばしば起きます。「育児」も「仕事」も質の異なることですし、「大変さ」は、人や環境にもよることなので、比べることはできません。だからこそ、「もっとできるでしょ?」や「時間はたくさんあるのに」などと決めつけず、「今日はお互いに頑張ったね」と労えたらいいですね。
この漫画の読者からは「基本的に子供の泣き声は必ず気になるような周波数帯とのことで放っておくのは生理的に無理であろう 後やつらは自分から死にに行くスタイルなので目を離せない」「『自ら死にに行く』これに尽きますよね。育児楽勝って思ってる人、大体ちゃんと見てない人多い。それかスマホ、テレビに任せっきりとかね」「最後の、他人はこれをジャッジしない、比べないが全て、本当に」など共感を得ています。
画像提供:ちくまサラ(@chikumababy)さん
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