クラスで一番かわいいあの子とお弁当を食べたい お昼を一緒に過ごす女の子たちの漫画の思わぬ展開にゾクリ(1/2 ページ)
クラス一の美少女と一緒にお昼を食べたい、その理由は……。
地味な女の子がクラス一の美少女と一緒にお弁当を食べようとする漫画「ファムファタルと昼食を」が、思いもよらぬ展開で読者を引き込んでいます。作者は『御手洗家、炎上する』を手掛けた漫画家の藤沢もやし(@moya_moe)さん。
主人公の野田は、友達の少ない、地味で大人しい女の子。友人が部活の追い込みに入り、しばらく一緒にお昼ご飯を食べられなくなってしまいます。友人に他のクラスメイトを誘うように勧められ、野田が選んだのはずっと憧れていたクラス一の美少女、桃原でした。
「桃原さんかわいいから、前からずっと仲良くなりたいと思ってて」――勇気を振りしぼって、一緒にお弁当を食べたいと伝える野田。彼女は笑顔で承諾してくれました。友人に「釣り合ってない」と言われながらも、野田は懸命に背伸びをしてメイクしたり、コンタクトに変えたり、どんどん垢抜けていきます。
自分は小さくて童顔で色気もないから、桃原のようになりたいと憧れを口にする野田。そんな彼女に桃原はそのままでかわいいと言うのですが、「そんなのきれいごと」「私みたいなのは人一倍努力しなきゃ視界の中にすら入れてもらえない」と野田の中で抑えていた黒い感情があふれそうになります。やがて彼女が視界に入れてもらいたい人物、桃原と一緒にお弁当を食べたかった本当の理由が明らかに――。
思春期の女の子によくある同性への憧れかと思いきや、その裏にあった本当の理由。そして、野田に優しい言葉をかけ続け、外見だけでなく心もきれいだと思っていた桃原が見せた本音。青春の甘酸っぱさを予感させ、その期待を見事に裏切る展開、“ファムファタル”の魔性を感じさせる少女の姿にゾクっとします。心の中のドロドロした部分を描きつつも、切ない余韻のある、でもどこか安堵のある結末となっています。
「ファムファタルと昼食を」は、ある女子校のクラスの群像劇を描いた『17歳の塔』1巻に収録された読み切り作品。同書では桃原のその後も描かれています。
「ファムファタルと昼食を」
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身近なことにしか興味はないけど、身近なことのためには一生懸命生きてる感じ。