友達の結婚式の帰りの女友達との会話を描いた漫画「ガラスのくつずれ」が、しみじみと深く刺さるお話です。作者は漫画家のにくまん子(@oic_oniku)さん。
友達の結婚式に参列した主人公の「はっちゃん」。3人の女友達との帰り道、友人たちは「旦那あれはないわー」「あの年齢であのドレスは痛すぎ」と口々に新郎新婦や式の内容をディスります。
そして話題の矛先ははっちゃんに。付き合っている彼氏とそろそろ結婚しないのかと急かしつつも、「ラブラブなうちに結婚しないと後悔する」「結婚すると新鮮さがなくなって一気に変色する」と結婚を思いとどまりたくなるようなことも吐くのです。
そんな毒のある会話に相づちをうちながら“現代の魔女集会”のようだと思うはっちゃん。友人と別れて一人電車に乗る彼女の脳裏に、「結婚して変色するくらいなら別れるのもアリ」という思いがよぎります。不意に、靴ずれの痛みで我に返るはっちゃん。
そして改札を出た彼女を待っていたのは、サンダルを持って待っていた彼氏。その気遣いと優しさに「ずるい」「こういうことされちゃうとな〜困るんだよな〜」「何度でも惚れ直すよ」とはっちゃんは彼氏と手をつないで帰るのでした。
“現代の魔女集会”のどろどろとした会話の妙なリアリティにゾワッ。彼女たちの毒々しい言葉に引きずられそうになっていたはっちゃんですが、靴ずれの痛みがそれを引き止めたように見えますね。そして「ガラスのくつずれ」というタイトルから連想するのはシンデレラ。サンダルを持ってきた彼氏はきっとはっちゃんの王子様なのでしょう。寓意に満ちた、いろんな解釈を探したくなる深いお話です。
この彼氏と一緒なら、気持ちが変色することなく幸せになれそう。読者からも「この主人公は『本当の幸せ』を味わってますね」「主人公がほんとに幸せそう」「こうなりたい」といった感想が寄せられていました。
「ガラスのくつずれ」はにくまん子の短編集『涙煮込み愛辛さマシマシ』に収録されているお話。同書には他にも友達以上恋人未満の2人、脚光を浴びる女の末路などを描いた短編が収録されています。
画像提供:にくまん子(@oic_oniku)さん
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