東京オリンピックまで147日に迫った2月29日、「東京オリンピック開催迄あと147日」「紛砕」「中止だ中止」などと書かれた立て看板が京都大学に設置されました。元ネタは言うまでもなくアニメ映画の金字塔「AKIRA」。なぜこの立て看板を設置したのか、考案者に話を聞きました。
AKIRAは東京オリンピックを目前に控えた東京を舞台にした物語で、「東京オリンピック開催迄あと147日」と書かれた看板はこの冒頭に登場。東京オリンピックが決定するよりはるか前に東京オリンピックを予言(?)していたことで、東京オリンピックの開催決定直後から話題を呼んでいました。
「紛砕」「中止だ中止」といった落書きは国民が社会・政治に不満を持っている劇中の背景を表現したもので、この映画のファンにとっては印象的なシーン。京都大学に設置された看板は劇中のものを実物大で製作したもので、漫画版AKIRAの終盤で描かれる鉄雄の顔や主人公・金田とそのバイクも添えられています。
タテカン製作サークルシン・ゴリラにこの立て看板のアイデアを出し共に制作したというAさんは「もともとAKIRAの大ファンで、東京オリンピック147日前が2月末になることを2月の頭に知り、思い立った」とコメント。また、設置意図については「今の立て看板は、出してもすぐに撤去されるといういたちごっこが続いているので、巨大立て看板を出すことで立て看板規制の是非を学生や市民に問いかけたかった。そのために少しでもクオリティの高い立て看板を作って注目を集めたいという思いがあった」「私自身、京都大学の折田先生像や立て看板の文化が好きなので、京都大学を去ったあともこの文化が続いてほしい。そのために持っている技術を1回生に引き継ぐ狙いもあった」と語っています。
劇中の市民のような反骨精神を持って製作されたこの立て看板は、残念ながら既に自主撤去済み。しかし、京大立て看同好会のツイートが1万7000回以上リツイートされ大きな反響を呼んでいます。この看板はまだネット民の中に生きている……といえるはずです。
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