首都圏・飲食店経営者の6割超「このままの状態が続けば事業継続困難」 政府の家賃支援策を待つも、すでに閉店した店舗多数
デリバリー、テイクアウトなどを急遽実施する企業も見られます。
スマートフォンによる匿名アンケートシステム「CVリフト」を手掛けるショーケースと、飲食業界でのコンサルティングなどを展開するキイストンが実施した調査で、首都圏の飲食業界経営者の6割超が「このままの状態が続けば事業継続困難」と回答。自粛による厳しい経営状態が明らかになりました。
この調査は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による飲食業界への事業影響に関するアンケート調査(完全有効回答数87人)で、5月18日にその結果が発表されています。
回答時点での新型コロナウィルスによる事業影響に対しては、62.1%の経営者が「このままの状態が続けば事業継続困難なレベル」と回答。「すでに事業継続が困難なレベル」(13.8%)と回答した経営者を合わせた「事業継続が困難」という経営者は約76%となりました。また、このまま自粛が続いた場合の事業継続可能な期間は、「1年以内」「半年以内」と回答した経営者が約3割ずつとなっています。
前年4月の売り上げを100とした場合の今年の4月の売り上げについては、約38%の経営者が「80%以上減少」と回答。さらに、約25%の経営者がすでに閉店した店舗があり、約17%の経営者が3カ月以内に閉店の可能性があると回答しており、その深刻な状況がうかがわれます。
売り上げが減少しても、家賃などの固定費が変わらないのが飲食店の苦しいところ。政府は中小事業者への家賃支援策(仮称)を打ち出していますが、これについては「給付額や条件ともに納得できない」という回答が6割を超えており、特に複数店舗を営む経営者にとっては救済策として期待できないようです(参照:第2次補正予算案)。
売り上げを保つために実施していることについては、約70%が「テイクアウトの開始、強化」と回答。その他にも「デリバリーの開始、強化」(約40%)、「通販の開始、強化」(約30%)と、「巣ごもり消費」に対応したサービスを充実させて乗り切ろうとしているのがわかります。一方で、約半数が「通常営業の実施(時短営業も含む)」と答えており、事業継続のためには自粛を求められても店を開けざるを得ないという状況がうかがえます。
いまだ緊急事態宣言が解除されていない東京。長くにわたって愛された老舗も閉店するなど、影響は大きな範囲に及んでいます。実態に即した支援を得て、多くの飲食店が生き残ることを望みます。
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