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【5年前の今頃は?】「チョコレートダイエットは効果的」デマ論文に世界中が踊らされる 世の中そんなに甘くなかった……

数年前の今日はどんな記事があった?

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 気になるインターネットの話題を中心に扱うメディア「ねとらぼ」は2021年4月で10周年。それを記念して、数年前の同じ日に掲載されたニュースから、懐かしのトピックスを振り返ります。


 5年前の2015年5月、「チョコレートはダイエットに効果的」と示す研究論文がネットを騒がせました。チョコレートを食べて痩せる、夢のような研究結果は世界中に拡散され、ニュースとして大々的に取り上げたメディアもありました。

 ところがこの論文は「釣り」。論文を発表した「Institute of Diet and Health」などという研究機関は存在しておらず、論文もまた「科学ジャーナリズムの適当さ」を浮き彫りにするために発表したものだったのです。


発表者のブログで釣りだと判明


 研究では被験者を「低炭水化物ダイエットを行うグループ」と「低炭水化物ダイエットをしつつ、さらに毎日42グラムのチョコレートを与えるグループ」と「好きなものを食べさせるグループ」の3つに分け、数週間後に彼らの体重、BMI、ウエスト対ヒップ比を計測しました。そしてその結果、「低炭水化物ダイエットをしながらチョコレートを与えたグループ」が一番効果的にダイエットできたというのです。

 しかしこれは巧妙なウソ。数値自体は本物ですが、それらは極めて偏ったデータであり、とても研究として価値があるとはいえないものでした。

 論文の発表者は自身のブログで種明かしをすると共に、この“釣り”が「いいかげんな科学ジャーナリズムが人々をどれだけ騒がせ、どれだけの人が騙されるか」という皮肉を証明するためだったと語っています。実際に彼は何百万もの人々にチョコレートはダイエットに効果的と信じ込ませることに成功したのです。

 都合の良いデマに踊らされやすい現代社会の脆弱性と、それに伴うメディアの責任が浮き彫りにされた事件でした。



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