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米バンド「レディ・アンテベラム」が改名 奴隷制支持の意味合いを持つとして

「全く意図するところではなかったけれど、私たちが誰かを傷つけてしまったという事実に変わりはありません」

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 カントリーバンド「レディ・アンテベラム」が6月12日、バンド名を「レディ・A」へ変更することを公式サイト、SNSで発表。無知と無配慮を謝罪しています。

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レディ・アンテベラムからレディ・Aに改名(画像はLady A公式サイトから)

 現在アメリカ全土で人種差別撤廃を目指すムーブメントが拡大していることを受け、レディ・アンテベラムは改名を決定。3人のメンバーが話し合い、黒人の友人や同僚からの意見を取り入れ「アンテベラム」という単語の使用をやめ、以前からファンが使用していたニックネーム「Lady A」を正式にバンド名とすることに決めたと明らかにしました。

 アンテベラム(antebellum)とは、「南北戦争前、戦前」といった意味を持つ英単語。南北戦争は19世紀のアメリカで、黒人を主とする奴隷制度の廃止を巡り起きた内戦で、このとき南部は制度存続を訴えていたことから「南部」に関する単語や旗は現代において差別的な意味合いを持って受けとられることがあります。

 「レディ・アンテベラム」というバンド名は、結成時にメンバーが訪れた南部の「アンテベラム・ホーム」と呼ばれる古い家々に由来。メンバー3人にとって「これまでミュージシャンとして、このバンド名はサザンロックやブルース、R&B、ゴスペル、そしてカントリーの起源を想起させるものでした」と語る一方で、「今回の事態で黒人の方々が日々直面している理不尽な扱い、不平等や偏見に気が付かされました」と後悔を口にしています。

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デビューアルバム(画像はAmazon.co.jpから)

 また、“アンテベラム”という単語が「奴隷制を含めた南北戦争前という時代背景にひも付くというところまで考えがいたらなかった」と差別的な意図はなかったと主張。自分たちの無知や無配慮を恥じ、悔やんでいることを明らかにし「気を害した方がいたのなら、心から申し訳なく思います」「全く意図するところではなかったけれど、私たちが誰かを傷つけてしまったという事実に変わりはありません」と謝罪しました。レディ・Aは今後、これをきっかけにより差別問題への理解を深め、対話の場を増やすべく努力し続けることを約束。「LadyAID」という基金を設立し、慈善活動を続けていくことを表明しています。

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テネシーから世界へ、子どもを救うチャリティー(画像はLadyAid公式サイトから)

 レディ・Aは2006年、テネシー州ナッシュヴィルでヒラリー・スコット、チャールズ・ケリー、デイヴ・ヘイウッドの3人により結成。2008年にリリースしたアルバム「ニード・ユー・ナウ〜いま君を愛してる(原題:NEED YOU NOW)」は全米1位を記録し、第53回グラミー賞で全5部門を受賞しました。

レディ・A「ニード・ユー・ナウ〜いま君を愛してる」

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