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東京五輪を「2022年」に延期〜森永卓郎が“経済復興対策”を提案

「消費税を1年間『0』にするべき」といった提案も。

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ニッポン放送

 「垣花正 あなたとハッピー!」(6月24日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。新型コロナウイルスの影響に加え、東京オリンピック・パラリンピックの延期による経済的打撃から復興するにはどうするべきなのか――、その対策を森永卓郎が提案する。

東京五輪を「2022年」に延期〜森永卓郎が“経済復興対策”を提案
記者会見する国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長=2020年2月4日、スイス・ローザンヌ 写真提供:時事通信社

2020年の経済成長率マイナス6.1%は戦後最大

 世界銀行という国際機関が世界経済見通しを発表しました。日本とアメリカがたまたま一緒でしたが、2020年の経済成長率はマイナス6.1%です。2009年のリーマンショック後に記録したマイナス5.4%が当時の戦後最大でしたので、いままで経験したことのない大きなマイナス成長となります。

東京五輪を「2022年」に延期〜森永卓郎が“経済復興対策”を提案
【新型コロナ 東京アラート発動後初の週末】「東京アラート」が発動され初の週末を迎えた東京・新宿は多く人で賑わった=2020年6月6日午後 写真提供:産経新聞社

再開しても経済活動が上がらない各施設

 感染症の専門家の多くは、数年間はコロナが完全収束することはないと言っています。日本は感染が落ち着いて来ていますが、WHOは感染拡大はいまも進んでいると警告を出していて、世界で見ると感染被害は止まっていません。

 しかも第2波が襲って来る可能性があるので、ソーシャルディスタンスを取るということになります。上野動物園も入場者数を制限していますし、7月から再開する東京ディズニーランドとシーも、当面は半分くらいしか入場者を入れません。再開しても経済活動は上がらないのです。

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【新型コロナウイルス関連】欠航が相次ぎ、閑散とする羽田空港国際線ターミナル=2020年4月5日、東京都大田区 写真提供:産経新聞社

Go Toキャンペーン〜始まっても2割を占める外国人客は戻らない

 全国への移動が解禁されたことによって、7月下旬から政府のGo Toキャンペーンが始まる予定でした。観光、イベント、商店街に行きましょうというキャンペーンですが、委託先に不透明な下請けがあって批判され、予定通り7月下旬からスタートできるのかわかりません。

 最大半額となる割引やポイントが付くなどというものですが、旅行会社のネットを見ても、まだやっていません。始まれば、そこそこの効果はあると思いますが、いままでの日本の観光需要は日本人が8割、外国人が2割という構造で、この2割は当分戻ることはありません。

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東京オリンピック・パラリンピック開幕までのカウントダウンが表示されたデジタルサイネージ=2020年4月1日午前、東京都港区 写真提供:産経新聞社

すでに3兆円以上使っている東京オリンピック

 東京オリンピック・パラリンピックの予算ですが、表向きの話では、組織委員会が6000億、東京都が6000億、国が1500億円の合計1兆3500億円ということになっています。しかしこれは表向きの数字で、会計検査院という、国のお金が正しく有効に使われているかチェックする機関がありますが、そこが調べたところ、東京オリンピック・パラリンピック関係で使ったお金は、2018年度までに1兆円以上になっているということです。それは表向き予算の1兆3500億円とは別です。これだけで2兆3500億円になります。

 さらに東京都が6000億円とは別予算で、五輪関係予算で8000億円使っています。合計すると3兆円を超えます。さらにコロナ対策で、新たに3000数百億円かかると言っていますから、とてつもないお金がかかっています。

東京オリンピックの開催を2022年に

 そこで無理して来年(2021年)やると、日本でコロナが収束していても、世界中から人が来るわけです。これは感染拡大に結びついてしまう可能性があり、それで日本がまた自粛になったら目も当てられません。

 個人的には、いますぐ政府と東京都がIOCに行って、「ごめんなさい、コロナを甘く見ていました。開催を2022年にしてください」と言うべきだと思います。最悪のシナリオは、来年に強行開催して感染が爆発するということです。

東京五輪を「2022年」に延期〜森永卓郎が“経済復興対策”を提案
コンビニエンスストアに貼られた、キャッシュレス決済でのポイント還元を知らせるポスター=2019年10月1日未明、東京都品川区 写真提供:産経新聞社

消費税を1年間「0」にするべき

 もう1つやらなければいけないのが、消費税です。私だけが言っているのではなく、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」のコメンテーターである数量政策学者の高橋洋一先生も、「消費税を1年間下げるくらい、たいしたことではない」とおっしゃっています。キャッシュレス還元も今月(6月)で終わってしまい、事実上はまた増税になります。いま消費は2桁も減っています。

 私がいちばんいいと思うのは、とりあえず1年間、消費税を「0」にすることです。ここで下げれば、10%下がります。家を建てようと思っている人にとって、2000万円かかるところが、10%違えば200万円安くなるということです。そうなれば、「いまの家も古くなったから、新築にしようかな」と思うわけです。人々の消費も戻って来ます。(radikoのタイムフリーを聴く

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