高校1年生の息子に「予算は1日千円、残った分はお小遣い」との約束で、およそ3カ月間、晩ご飯をつくってもらった試みが反響を呼んでいます。おいしそうな日々の料理がTwitterに投稿され、「息子さん、すごい」「素晴らしい挑戦」と絶賛の声が寄せられています。
晩ご飯づくりを始めたのは2020年3月10日。息子さんは料理がもともと得意ということはなく、ごはんを炊くことくらいしかしていなかったそうです。記念すべき初日はエビのパスタと、サラダ、お湯に溶かすだけのコーンスープでした。
しかし、数日後から徐々に要領がよくなっていきます。3月18日には、料理コラムニスト・山本ゆりさんのレシピ本『syunkonカフェごはん』からウスターソースを使った「やわらかソース鶏」を作りました。このメニューは、のちに何度もリピートされ得意料理になったそうです。その後は材料を使い回すことを覚え、買い物の量も減って節約上手に。
当初は1週間のつもりでしたが、本人の意思で続けることに。4月に入ると、デザートやお弁当もつくるようになりました。料理の腕前は格段にあがり、4月18日には、本格的なインドカレーまで作ってしまいます。
5月に入ってからは、ますます食卓が華やかに。コロッケなど手の込んだ料理も増えてきます。母の日には、ヨーグルトイチゴムースも作ってくれました。安いお肉を使うなどの節約術も覚え、56日間で息子さんは1万9669円のお小遣いを手に入れました。
この取り組みを通じて、息子さんは「鶏のもも肉は高い、魚はもっと高い」「ごま油最高!」「大抵のものは、レシピがあれば作れる」と気づいたそうです。お母さんに、詳細を伺いました。
――どうして息子さんは、ご飯を作ることに?
コロナ禍で学校も休み、部活も塾もなく友達ともあそべない毎日で、ヒマを持て余していたのでやってもらうことになりました。
――何人分の食事を作っているのでしょうか? また、1000円にした理由は?
3人分です。余った分を小遣いにするのにあまり少ないとつまらないのかも? と考えて決めました。
――3カ月前とくらべて、どれぐらい上達しましたか? また、いちばんおいしかった料理は?
初日は、混ぜるだけのスパゲティとお湯を入れるだけのコーンスープだったのが、レシピを見ないで目分量で作れるようになりました。一生懸命やってくれましたので、どれもおいしかったです。
――今後も続けますか?
学校が始まって、帰りも遅くなりましたので、難しいですが、ご飯を作ってくれたら、同じルールで小遣いを渡そうと思います。
――この試みをやって、特に良かったことは?
食と経済は一生関わることなので、自分で食べることができて、物の値段がわかり、節約することを覚えたのは、とても良かったと思います。
画像提供:ピョンちゃん(@miramania56)さん
(高橋ホイコ)
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