模型では実現が難しいとされた「幕回し」の動きを見事に再現した動画が話題になっています。まるで実物だ……!
驚きのギミックを制作したのはYOMIX(@YOMIXtrains)さん。鉄道模型のHOゲージへ、見事な電子工作技術で幕回しを再現しました。
幕回しは、行き先や列車名などを示す方向幕やヘッドマークをクルクルと回して切り替えるシーンのことです(現在は多くが電子式ですが、ひと昔前の車両は文字通り幕でした)。終点などで、ほかの列車名や回送列車に変わるタイミングで見られます。運が良ければ珍しい列車名を見られたりもするので、その瞬間を楽しみにする鉄道ファンも多いです。
鉄道模型で方向幕やヘッドマークを再現するときは、ステッカーを貼って固定の文字列やヘッドマークにするのが一般的です。
ここに超小型の液晶パネルを内蔵し、1×1センチにも満たないスペースで幕回しの動きを再現してしまったのです。これで、列車は「北斗星」にも「はまなす」にも、「回送列車」にもなれます。
ファンにとっては念願の「リアルに動く幕回し」。どのように実現したのか、制作者のYOMIXさんに話を聞きました。
── すごくリアルですね……! 感動しました。なぜこの作品をつくったのですか?
構想自体は数年前からあったのですが、小さい液晶を簡単に動かすモノがなかったので実現できていませんでした。
最近になって友人から「M5stickC」というカラー液晶付きのマイコンボードを教えてもらい、実現することができました。
液晶で車両のLEDを再現することは5年ほど前から他の方々が試みていましたが、方向幕の再現は前例なしかと思っています。
── 制作にはどのくらい期間が……?
試行錯誤など作業にかかった時間は6時間ほどです。
── 制作費はどのくらいかかったのですか?
材料費はマイコンボードが2500円ほど、模型(HOゲージ)は6000円のものを分解して使用しています。
鉄道模型で実物さながらに再現した「幕回し」の精巧さに、これを見た人も「エモい!」「未来の鉄道模型を垣間見た」などと大興奮。確かに……!
YOMIXさんは、M5stickCに無線LANやBluetoothなども載っていることに着目し、さらなる進化も画策中とのこと。遠隔操作するなど、もっと面白い動きが実装されるかも……? IoTで鉄道模型の革命も起こるかも……! 「世の中のマイクロディスプレイや技術が(こういった分野にも)もっと普及してほしい」とYOMIXさん。さらにどんな進化を遂げるのか、次の作品も楽しみです。
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