七五三や成人式での和服を彩る花かんざしなどで使われている、江戸時代に生まれたとされる手工芸「つまみ細工」でリアルな花を表現した作品が美しいと注目を集めています。
作者は蒼菊(あおぎく/@aogiku_tsumami)さん。つまみ細工は、小さめに切った布を折ってつまんで土台に貼り付けていくことで、さまざまな形を作る日本の伝統工芸。多くの人がイメージするのは、丸みのある形の「丸つまみ」と鋭い「剣つまみ」の技法で作られた、独特の花弁や葉っぱの形をした作品ですが、蒼菊さんが投稿したのは一見すると本物と見間違えそうなリアルな花々です。
Twitterで「つまみ細工ってこんなリアルにも作れるんだ」「つまみ細工の概念変わった」といった声が上がっているように、つまみ細工の表現力の豊かさが感じられる作品となっており、基本となる技法の応用と発想次第でここまで幅広いものができる世界なのかと驚きます。
また基本的には使う絹布(けんぷ)を自身で染めるところから行っているそうで、リアルな花弁の色合いなどに、そのこだわりを感じます。ちなみにアートフラワー用のコテなどは使っていないとのこと。
蒼菊さんはいろいろなタイプの作品を作っており、中には“つまみ細工らしい”花とリアル系の花を組み合わせたもの、和菓子の「練り切り」をイメージしたものなど。またハロウィンシーズンには「ジャック・オー・ランタン」をモチーフにしたり、最近では漫画『鬼滅の刃』のキャラクターをイメージしたつまみ細工なんかも制作しています。かわいかったり、おいしそうだったり、本当に作品の幅が広い!
作品はTwitterとInstagram(@aogiku)で公開されており、中にはユーザーからの依頼で作ったオーダー品も(※現在は受注停止中で、2020年秋頃に再開予定)。蒼菊さんのオリジナル作品で登録商標も取得している「つまみ紋」は、つまみ細工で家紋を表現したもので、成人式用の髪飾りやアクセサリー、また大切な人へのプレゼントとしても人気を集めています。
画像提供:蒼菊(@aogiku_tsumami)さん
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