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意味がわかると怖い話:「笑うテディベア」(2/2 ページ)

深夜の笑い声。

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「笑うテディベア」解説

 ぬいぐるみの電源回路を改造したのは何者で、何の目的でそんなことをしたのでしょうか? ……そもそも、ぬいぐるみが電池を抜いても笑っていたのは霊現象ではなかったのですから、「知り合いの霊能者から言われたこと」として、〈Y美さん宅のぬいぐるみに妙なことが起こっていた〉事実をすらすらと言って聞かせ、執拗にぬいぐるみを回収しようとしたM子さんの行動の意味は、変わって見えるのではないでしょうか?

 そう、ぬいぐるみにはM子さんによって、盗聴器が仕掛けられていたのです。おそらくは、Y美さん夫妻がそろって家を空けていた新婚旅行の時にでも。盗聴器はぬいぐるみの電池から電力供給を受けて作動するようになっており、電池切れで電源が落ちて出力設定がリセットされないために予備電池が必要だったのです。

 M子さんが夫妻を盗聴していた理由――それは彼女が「少々、過保護なほどT哉さんを可愛がっていた」ことと無関係ではないのでしょう。

 怪しまれてぬいぐるみを調べられれば盗聴がバレてしまうと焦って、M子さんはありもしない霊能者の話をでっち上げ、証拠隠滅を図ろうとしたのです。最後のチャイムの音は、おそらく……。

呪われたぬいぐるみといえば

 「呪われたぬいぐるみ」というと、多くの方が思い出すのは映画にもなった「アナベル」ででしょうか。映画では不気味なビスクドールでしたが、実物は布製の愛嬌のある少女のぬいぐるみ(絵本のキャラクター)です。

 アナベルを呪いの人形として「売り込んだ」心霊研究家のウォーレン夫妻は、金儲けのためさまざまな怪奇現象のでっち上げに関与したことが知られており、今日伝えられる「アナベルには悪霊が憑いていて、持ち主の少女を殺そうとした」という話も、数パーセントでも事実が含まれているかすら怪しいもので……。ただ夫妻が「悪魔祓(ばら)いした」と称したのちも、アナベルが安置されたケースを叩いたり彼女を放り投げたりした人が不幸な死に方をしたと言われています。

 もっとも、それらが仮に実話だったとして、それは単に「呪いの話を聞いたうえで、わざと呪われるようなことをパフォーマンスとしてやってみせるような、自分を勇敢に見せたい気持ちが強くやや思慮に欠けた人」は、無茶な運転をして交通事故に遭うといったトラブルに巻き込まれやすいだけのような気もしますが。

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