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意味がわかると怖い話:「犬の埋葬」(2/2 ページ)

夜にかかってきた1本の電話。

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「犬の埋葬」解説

 「僕」が裏山に埋葬したのは、本当にゴールデンレトリバーの死骸だったのでしょうか。

 誰かの失踪を伝える防災無線。「春斗とも、一番仲良しだったから」と、なぜか優菜ちゃんのことを過去形で話す悠斗。逃げるように引っ越していき、連絡が取れなくなった悠斗の家族。……ちなみに小学3年生女児の平均体重は、大型犬とほぼ同じ30.5キロほどだそうです。

 

 「ヤバいものの“運び屋”にさせられていた」というプロットは、「自分が加害者になってしまう」怖さを演出できると同時に、途中で真実を明らかにすれば「共犯者にされてしまったので、怖いことが起こっても逃げられない」という理由付けにもなります。

 今回の「犬の埋葬」では、語り手は残念ながら気づくことはできなかったようですが……「運び屋」系のお話は、設定・イベントとして非常に優秀なところがあるといえるでしょう。

 ウェブ発祥の怪談として有名な「運び屋」ものである、「帝国陸軍第十三号坑道」を紹介させてください。語り手(書き込み主)裏社会の人間と仕事でかかわるようになり、いつしか運び屋のような仕事も振られるようになります。そしてある日、明らかに異質な“袋”を運ぶことになり……という始まり。そこから謎の“井戸”にまつわるストーリーになっていくというお話です。

白樺香澄

ライター・編集者。在学中は推理小説研究会「ワセダミステリ・クラブ」に所属。怖がりだけど怖い話は好き。Twitter:@kasumishirakaba


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