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「犬の埋葬」解説
「僕」が裏山に埋葬したのは、本当にゴールデンレトリバーの死骸だったのでしょうか。
誰かの失踪を伝える防災無線。「春斗とも、一番仲良しだったから」と、なぜか優菜ちゃんのことを過去形で話す悠斗。逃げるように引っ越していき、連絡が取れなくなった悠斗の家族。……ちなみに小学3年生女児の平均体重は、大型犬とほぼ同じ30.5キロほどだそうです。
「ヤバいものの“運び屋”にさせられていた」というプロットは、「自分が加害者になってしまう」怖さを演出できると同時に、途中で真実を明らかにすれば「共犯者にされてしまったので、怖いことが起こっても逃げられない」という理由付けにもなります。
今回の「犬の埋葬」では、語り手は残念ながら気づくことはできなかったようですが……「運び屋」系のお話は、設定・イベントとして非常に優秀なところがあるといえるでしょう。
ウェブ発祥の怪談として有名な「運び屋」ものである、「帝国陸軍第十三号坑道」を紹介させてください。語り手(書き込み主)裏社会の人間と仕事でかかわるようになり、いつしか運び屋のような仕事も振られるようになります。そしてある日、明らかに異質な“袋”を運ぶことになり……という始まり。そこから謎の“井戸”にまつわるストーリーになっていくというお話です。
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