200万円で「機関車うります」 関東鉄道の名車カバさん(DD502形)、買い手をひっそり募集中(1/2 ページ)
うぉぉ、がんばれば買えるかも!? というか……もうカバさん走らないの?
「機関車うります」──。えぇぇ! 茨城県の関東鉄道が、重さ33.7トンのディーゼル機関車「DD502形」を販売していることが分かり、ネットの鉄道ファンがひそかにざわついています。
DD502型は「カバさん」の愛称で親しまれる関東鉄道の人気者。それが、お値段何と200万円(税別、送料別)。うぉぉ! がんばれば買えるかも……な価格です。でも、もうカバさんは走らないのでしょうか……。
これは一体……。「うります」のチラシを投稿した鉄道ファンのヲキフ117(@kumotori916)さんと関東鉄道に話を聞きました。
関東鉄道は、このチラシを2020年10月17日、18日に開催した関鉄観光主催のツアー「旧型車両で行く『関鉄車両基地』ザ・ヒロサワ・シティ【レールパーク】特別公開」で配布。このツアーに参加したヲキフ117さんは、関東鉄道の車両基地「水海道(みつかいどう)車両基地」を見学したときに受け取って「!」となったそうです。
「とうとうこういうことになったか……と思いました。車両検査期限も切れていたし、本線走行は無理としてもイベントでは注目度があったので、いなくなるのは残念です……」(ヲキフ117さん)
DD502型は1956年9月に日本車輌で製造され、常総筑波鉄道(現関東鉄道)に導入された重量約33.7トンのディーゼル機関車です。特徴的な前面(1エンド側)の巨大なラジエーター通風孔の形状から「カバさん」の愛称で親しまれる愛らしいデザインと、グイグイ力強く動輪を回す走行時の姿が魅力です。
導入当初は貨物輸送で、貨物輸送の廃止後も工事用途や新型車両のけん引などで活躍。しかし2007年に走行して以来、水海道車両基地内に留置されていました。
関東鉄道によると、定期検査は2007年11月以降行われておらず、整備をしないと走行できず、エンジンも始動できない状態といいます。引き渡しは水海道車両基地内にて、防護無線機など一部の保安装置を撤去した上で、となるようです。
なお、本体価格のほかに「送料」も必要です。参考として茨城県内への移送の場合で約350万円、移設先に線路を敷くならば13メートルの線路で約100万円が目安として示されています。そうか、移送費もあるのか……。
「自宅に機関車を保有」(関連記事)なんて、鉄道ファンにとってロマン中のロマン。
でも現実的に難しく、チラシを受け取ったヲキフ117さんも「とてもできません」とのこと。しかし「例えば、同じ茨城県内のテーマパーク“ザ・ヒロサワ・シティ”(関連記事)に関東鉄道常総線を走っていた車両が展示されていることから、DD502も引き取ってもらえたらな……」と期待を込めていました。
なお「機関車うります」は、関東鉄道の公式サイトでは案内されていません(2020年10月21日現在)が、同様のチラシは「実は以前行ったイベントでも配布したことがある」(関東鉄道)とのことで、ひっそりと案内をしていたそうです。
「まずは地元の方など、関東鉄道のことをよく知っていただいている方や、深く興味を持っている方を中心に、限られた方から案内していました。とはいえ、当社の機関車を大切にしていただける方であれば、もちろんお譲りしたいと考えています」(関東鉄道)
限定1台、気になった人や施設の方はぜひ! ……今後も良き余生が送れることを願わずにはいられません。
(大泉勝彦)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「極めし者の情熱、趣味者の鑑」「マジで涙出た」 自宅に動く10トン機関車を所持する猛者の記録がすごすぎる
感動して、うらやましくて涙出る。 - 自宅で「ピッ」ができるぞ〜! ことでん恒例「ガチすぎ」放出品 2020年はホンモノ「ICカード改札機」、マジか
今年もガチ。11月3日のことでん電車まつりで販売するそうです。 - さよなら「最強機関車&大物車」 もうすぐ完全引退「EF200」「シキ800」が京都鉄博で特別展示 11月16日から
「パワー」と「ヘビー」で名を馳せた2形式が最後の公開です。 - 「トラックが線路を走ってる!」「さらに変形して道路を走り去ったぞ!?」 渋谷で謎の鉄道車両が目撃、アレは一体何だ?
その名は「軌陸車」。今や鉄道工事に欠かせない車両だそうです。(写真70枚) - 「ボロッボロ……大丈夫かこれ」 東武鉄道がいろいろすごい「2機目のSL」を復元する理由
こ、この存在感、すごかった。復元前のSL 2号機の姿を写真でチェック【フォトレポート】