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「モバゲー」の利用規約は不当との二審判決 「多重課金に返金されない」「身に覚えのない利用停止措置」など苦情
「当社は、一切損害を賠償しません」など、DeNAが責任を負わない旨の規定となっており、消費者契約法に抵触するとの判決。
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ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営するゲームサイト「モバゲー」の会員規約を巡る裁判にて、二審の東京高等裁判所は11月5日、同規約は不当であるとの判決を言い渡しました。
モバゲーの会員規約には「当社の措置によりモバゲー会員に損害が生じても、当社は、一切損害を賠償しません」と記載されており、システムトラブルによる二重課金や、アイテム購入後の大幅な性能変更など、モバゲー(DeNA)側の過失や債務不履行が想定される事態でも同社は責任を負わない規定となっていました。
例えば、国民生活センターには「課金を間違えたが、返金もなく、『一度課金したら返金しないという規定がある』と言われ、調査もしてくれない」「システムトラブルで二重課金となった。メールを送ったが返事がない」「強力なアイテムを購入するため、電子くじに3万円かけて入手したが、その翌日、アイテムの能力設定を下げられた」といった苦情が寄せられています。
原告である消費者団体「埼玉消費者被害をなくす会」はモバゲーの会員規約は不当であると訴えました。一審のさいたま地方裁判所は、同規約が消費者契約法に抵触すると判決を下しています。
DeNAは「当社が合理的に判断した場合」と規約に文言を加え控訴しましたが、二審の東京高等裁判所はこれを棄却。客観的には合理性がない措置等を「『合理的な判断』であるとして行う可能性が十分にあり得る」としています。
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本人は反省し、運営に対し謝罪文を提出したとのこと。