今年(2020年)の台風の発生数は、11月29日まで22個で、平年に比べて極端に少ないことはありません。ただ、台風の日本への上陸はなしです。このまま年間を通して上陸なしとなれば、12年ぶりです。
熱帯低気圧が発生する予想 12月にかけて台風が発生する可能性あり?
29日、カロリン諸島近海やフィリピンの東に発達した雲の塊がみられます。今後30日夜までに、この海域で熱帯低気圧が発生する見込みです。台風の卵とも呼ばれる熱帯低気圧ではありますが、対流活動は極端に活発ということはなく、アメリカ海洋大気庁の資料によると、12月8日にかけて、この海域で熱帯低気圧が発達する可能性は、高くないと予想しています。
ただ、12月の2週目(12月6日〜12日)頃は、フィリピンの東からマリアナ諸島近海で、現在より対流活動が活発になる見込みです。12月の平年の台風の発生数は、1.2個で、昨年(2019)年も12月に1個の台風が発生しています。
今年(2020年)の台風の発生数
さて、今年(2020年)の台風の発生数は、月ごとでみると、7月までは平年を下回る数でしたが、8月から10月にかけては、平年を上回る数になりました。11月29日までで22個です。年間の平年の発生数は25.6個ですので、極端に少ないということはありません。
台風10号の接近では南西諸島や九州を中心に被害が発生
今年の台風の接近数は、11月29日までで7個です。そのうち台風10号は、9月1日に小笠原近海で発生し、5日から6日かけて大型で非常に強い勢力で沖縄に接近、その後6日から7日にかけて、奄美地方から九州に接近しました。長崎県野母崎で最大風速44.2メートル、最大瞬間風速59.4メートルなど、南西諸島や九州を中心に猛烈な風または非常に強い風を観測。観測史上1位の値を超えるなど、記録的な暴風になりました。宮崎県神門では、4日から7日までの総降水量が599.0ミリになり、宮崎県の4地点で24時間降水量が400ミリを超える大雨になりました。暴風や大雨の影響で、飛来物や倒木により高圧線断線等が発生し、南西諸島や九州を中心に広い範囲で停電が発生しました。平年の接近数は11.4個ですので、台風の接近(注1)は平年に比べて少なかったものの、大きな災害をもたらしました。
(注1)台風の接近とは、台風が上陸したかどうかに関わらず、台風の中心がそれぞれの地域のいずれかの気象官署等から300キロ以内に入った場合のことです。
今年(2020年) 台風の上陸なしか
今年の台風の上陸数は、11月29日までありません。このまま12月31日まで年間を通して台風の上陸(注2)がないと、2008年以来12年ぶりになります。ちなみに、平年の台風の上陸数は2.7個です。
(注2)台風の上陸とは、台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合です。小さい島や半島を横切って短い時間で再び海に出る場合は通過になります。
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