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嗅覚と味覚のプロフェッショナル「官能検査員」ってどんなお仕事? 実際の試験にもチャレンジしてみました(2/2 ページ)

「天然水の水道水割り」も嗅ぎ分けられる!?

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ーーここまで嗅覚が鋭いと、普通の人とは違う日常生活がありそうです。官能検査員あるあるや印象的なエピソードがあれば教えてください。

山口技師長:普段から匂いには敏感になるので、いろんな場所で、いろんな匂いはやはり気になりますね(笑)。それがいい匂いでも、嫌な匂いででも、ですが……。

 あとは、これは仕事柄でもあるんですが、飲み物を飲むときはどうしても官能検査をしてしまうんです。同じ商品でも本当に微妙な違いがあるものもあるので、その違いを楽しんだりもしています。

 とにかくなんでも匂いからスタートしてしまうので、そこは他の人とは違う日常生活だとは思います。

ーーでは、官能検査員でよかったと思うことはなんでしょう?

山口技師長:仕事は責任感もありますし、すごく楽しいです。

 あとは料理の楽しみ方も増えると思っています。味にうるさくなったり、敏感になったりすることはあるのですが、それでも繊細に分かることで、味わい深くなるのはよかったことですね。

ーー逆に、大変だったことは?

山口技師長:強い香りを自己防衛的に避けるようになってきました。なので、ダメな匂いが増えてしまったということはあります。

 例えば、味はすごく美味しいのに匂いが強くて行けなくなってしまったラーメン屋があったり、とか。

ーーラーメンが食べられなくなるのは切ないですね……! では、これから官能検査員になってみたいという人や、普通の人が嗅覚を研ぎ澄ますためになにかできることってあるのでしょうか?

山口技師長:いろんな会社のお茶やお水を買ってきて、官能検査してみる、というのが分かりやすく、試してみやすいかもしれませんね。

 ただし、水は官能検査員でもかなり難しいです。硬度で多少匂いが変わってくるので、見分けられる人には見分けられると思います。ぜひ挑戦してみていただきたいですね。

ーー官能検査員のお仕事がよく分かりました! 最後に一言お願いします。

山口技師長:最後の砦としてしっかりと官能検査を行い、安全安心で美味しい商品をみなさまに自信を持って商品をお届けできるようにしていきたいと思います。

 官能検査員はなかなか知ることのない仕事だとは思いますが、もしこれでご興味を持っていただいて、もしすごい嗅覚をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひエントリーしていただければと思います(笑)。


 最後に、官能検査員の試験を少しだけ体験させていただきました。試験問題は、5つのグラスのうち、3つが純粋な天然水で、2つにはなにかが混ざっており、その2つを嗅覚だけで当てるというもの。


官能検査員 5つのグラスのなかになにかが混ざっているそうです……。


官能検査員 ぜんぜんわからん……。

 私は割と嗅覚に自信があったので余裕でしょ! と思っていたのですが、ひとつはすぐに分かったものの、もうひとつは全く分からず……。

 すぐに分かった方は、天然水にほんの少しフルーツの香りを混ぜたもの、もうひとつは天然水に水道水のような香りを混ぜたもの、だそうです。次元が違いすぎる……。

 実際に試験を体験したことで、こんな繊細な匂いまで嗅ぎ分けてくれる官能検査員のみなさんがいるからこそ、安全安心な天然水が飲めているんだな、とありがたさを感じられました。

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