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「ちいかわ」はなぜ読者を狂わせるのか? 助けてください、僕らはふわふわの綿あめで首を絞められています(1/2 ページ)

かわいいだけだと思ってませんか?

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 寝ても覚めても「ちいかわ」のことばかり考えています。

 「ちいかわ(なんか小さくてかわいいやつ)」とは、ナガノさんによるキャラクター。不定期(だいたい深夜)に1ページの漫画がTwitterへと投稿され、かわいらしい絵柄とは裏腹に、みぞおちに抉り込むようなキッツイ展開が読者のHPと睡眠時間をゴリゴリ削っています。




 理性を残したまま化け物に変えられて苦しんだり親友と一緒に受けた資格試験に自分だけ落ちてしまったり……。そう。ちいかわは単に“小さくてかわいい”だけじゃありません。可哀想で、不条理で、現実的で……言語化されていない“なんか”の部分にこそ、本質的な魅力が隠れているように思えるのです。

 「ちいかわ」アカウントが始動した1月からまもなく1年。この機会に未読者へ向けて、ヤツらの魅力をあらためて振り返ります。なぜなら「ちいかわ」のスタンプだけで会話できる世界がきてほしいので……。

「小さくてかわいいやつになって暮らしたい」という人間の願望

 そもそも「ちいかわ」は、本能の赴くまま赤ちゃんのように暮らせたらいいのに、という人間の欲望を具現化させたキャラクター。すごい出自ですね。「【怠惰】のチィカワ」みたいな強キャラのそれ。

 このイラストの時点で、キャラクターとしては十分に完成しているように思います。疲れた社会人や学生が「こんな風になりたいな〜」と癒されるための甘〜いお菓子のような存在として、一定の人気が出たのではないでしょうか。



 しかし実際に始まった漫画は、そんな我々の願望の象徴である「ちいかわ」が理不尽にいじめられる内容だったわけです。なんで? ですが、それがこうして毎回数万リツイートされる超人気コンテンツになったわけですから、人間の業を感じずにはいられませんね。

 とはいえ漫画が始まってしばらくの間、「ちいかわ」にストーリーらしいストーリーは存在せず、現在ほどの人気もありませんでした。というのも、しゃべれるキャラクターがほとんどいなかったからです。人語を操る怪物や、人格を残し改造された哀しいキメラは登場するものの、それが物語に発展することはなく……。転機が訪れたのは5月、もう一人のメインキャラクター「ハチワレ」の登場です。




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