1月5日から放送が始まったテレビアニメ「PUI PUI モルカー」(以下「モルカー」)が、かわいさの中に人間の愚かさと闇が凝縮されているとTwitterを中心に大きな話題となっています。まさか2021年冬アニメにこんな伏兵が紛れていたとは誰が予想できたでしょうか。
モルカーは、テレビ東京で毎週火曜朝7時30分から「きんだーてれび」内で放送中。1話あたり3分弱の短い放送時間かつ子ども向けでありながら、Twitterでは公式アカウントの告知が3万弱リツイートされ、大人たちが真剣に内容について語り合うまさに世は大モルカー時代へと突入しつつあります。
モルカーはモルモットが車になった世界の話で、「モルモット」+「カー」でモルカーなもよう。映像はストップモーションを使用しており、かわいい世界でありながらちょくちょく操縦する人間が実写で登場するのがシュールな雰囲気を醸し出します。
そしてモルカーは明確にモルモットであり、「生きて」いるのが最大の特徴。人間に従順でとても優しいですが意思を持って動いており、食事もします。救急車のモルカーは、乗せている患者が危機だと泣いてしまう場合も……。
そしてそんなかわいくて優しいモルカーに対し、アニメの内容は1話が「モルカーをながら運転で渋滞を引き起こす運転手」、2話が「銀行強盗がモルカーを盗難して逃亡」、1月19日放送予定の3話では「猛暑のモルカー内に猫をおきざり」と徹底して人間の愚かさを描くものとなっており、カオスサイドの大人たちを闇へといざなっています。2話放送時点での逮捕者はすでに4人に達しており、やはり人類は滅ぼさなければなりません。
また、明確に「生物」であるモルカーが世界の標準インフラとして機能しているため、“モルカー世界線”の考察も盛ん。「ドライバー差し置いて勝手に走り出したりと自我があって大変だなぁと思いつつも、それは「馬」では?という回帰が発生するのかなり良い」「『モルカーの自我と操縦者の意思はどうやって折り合いをつけているのか』といったツイートを見かけたが、ゾイドを通過しているため全く疑問を抱かずに視聴してしまった」「モルカーはナンバープレートをつけていないことから警察は車両手配をモルの顔の特徴で行うと推測され、したがってモルカーに覆面を着けるのはナンバープレート偽装に相当する行為」など大変洞察力と先見性に優れたツイートが多数投稿されています。あと、ファンアートはやたらドリフトしながら峠を攻めています。改造モルカーとかもいるんですかね……。
Twitterで話題になったことをきっかけに、公式アカウントでは放送前にイベントで配信したPVを2週間限定で公開。ファンたちの考察をよそに、「ヘリがビームで撃ち落とされ背後からサメの戦闘機(?)が登場」するシーンが流れファンの想像では公式に勝てないことを見せつけてきました。モルモットの車が主題のアニメでサメが空飛ぶことを予想できた人が1人でもいたでしょうか。
まだアニメを見ていない人も、現在バンダイチャンネルでは第1話が、あにてれでは第2話が無料公開中。どちらもいずれ見られなくなってしまう可能性があるため、今から追い付きたい場合はお早めに。
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