「そんなに叩かなくていいから」「だって動かないんだもん」――初めてスマートフォンを買った母と、その側で教える娘。ふたりの静かな空気感と最後の笑顔が心にしみ入る漫画「今日が1番若い日」がTwitterに投稿されています。
母にとって初めて手にするスマートフォンは、よくわからない面倒なモノ。どう触れば動くのか、古い携帯からのデータの移行、知らない単語、小さい文字――その一つ一つが積み重なり、母は「はぁむずかし」と心の中でため息をつきます。
そんな母の側で、娘はスマートフォンの操作の仕方を教え、データを移行してあげて、母の知らない“アプリ”を入れ、文字を大きくしてあげます。
ふたりの会話は、大きな表情の動きのない淡々としたもの。ただそれは“いつものやり取り”というだけで、私たちの知る“家族の空気そのもの”が描かれています。気軽に話せるからこその静かな空気感。
ただ最後のページでは、娘が「きょ、――今日が一番若いんだよ、お母さん」と少し恥ずかしそうに言い、母はその日初めて和やかな笑顔になります。その娘の言葉は、母とのやり取りの中で感じた思いを伝えるため。そして母の笑顔は、それを心で受け取ったことの表れだとわかるもので、ふたりの通じ合った姿はじんとくるものがあります。
たとえ気軽に話せても、素直に思いを伝え、受け取るのって難しいんですよね……。
作者は、イタリア在住のワダシノブ(@shinoburun)さん。TwitterやInstagram(@shino.img)、noteでさまざまなイラストや漫画を投稿していて、昔のお母様のエピソードから、ワダシノブさんが娘さんへの思いを描いた漫画など、どこか切なくも温かいお話を読むことができます。
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読んでるこっちもニコニコしちゃう。