もし「世界の終わり」が来るのが分かっていたら、好きな人に告白できますか? そんな終末をくり返す世界に生きる女子高校生を描くのが、マンガ「終末のかけひき」です。人生の短さと、一歩を踏み出す勇気について考えさせられます。作者は『放課後のグランギニョル』を連載中の漫画家、天海杏菜(@kyuimuni)さん。
JKの土沢と花井が生きるのは、「終末」を繰り返す世界。終末の到来はあらかじめ予告され、終わりを迎えると、世界は歴史上のあるポイントからまたリスタートします。それは過去かもしれないし、未来かもしれない。すべては、終末を実行する「創世主」の思惑次第なのです。
ある日、学校で世界の終末を予告された土沢と花井。その後、2人仲良く下校していると、遠くで「世界の終わり」が始まっているのが分かります。
そこへ男子生徒が飛び出し、花井に告白します。とまどう花井。その間に土沢が彼女に代わって男子生徒を撃退してしまいます。終末にかこつけた告白は「ずるいし、卑怯者」だと土沢はいうのです。
実は、土沢には前世の記憶がありました。
かつて「未来」で、花井と出会っていた土沢。「好きな人はいる?」と聞かれても、答えられないでいました。なぜなら、目の前にいる花井に恋心を抱いていたからです。さらに「その人に告白しないの?」と聞かれて、彼女は思わず「告白したら負けっていうから」とごまかしてしまうのでした。
そして終末の炎に巻き込まれながら土沢は、世界の終わりがくることを知っていたら、花井に思いを伝えられたのに……と後悔することになります。
しかし、前世の記憶がある土沢は、終末を迎えるたびに「きっと次がある」と、花井に告白できないまま、何度も「生」をやり直してしまいます。そう。終末の直前に告白した男子生徒のように、自分がずるくて卑怯者であることを自覚しつつも。
土沢は、いつか花井に告白できる日が来るのでしょうか。もしかするとそれは、「世界の終末」をつかさどる「創世主」も気にかけていることなのかもしれません。あなたなら、告白できますか?
作品提供:天海杏菜(@kyuimuni)さん
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