さよなら「Max」…… オール2階建て新幹線「E4系」ラストラン企画が続々開始、2021年秋に引退(1/2 ページ)
20年超活躍した魅惑の2階建て新幹線、「さよなら」を言うのはまだ早いけれど……!
東日本旅客鉄道(JR東日本)が3月13日、2021年秋に運転を終了する新幹線「E4系」のラストラン企画を開始しました。
大きな輸送力で新幹線通勤をはじめ多くの需要を支えた「Max」
E4系は1997年12月に登場したJR東日本・上越新幹線の車両。現行新幹線として全国唯一の2階建て新幹線です。空力特性を追求してグーンと鼻先が突き出たデザインとオール2階建ての迫力ある大きな車体を特長とし、「Max」の愛称で親しまれています。最高速度は時速240キロ。8両編成の座席定員は817人で、E2系新幹線10両編成の813人とほぼ同じ。さらに通勤輸送需要などに向けてE4系を2編成連結した長い16両編成も走ります。こちらは座席定員1634人の輸送力を持ちます。
登場から2012年までは山形新幹線「つばさ」と連結した東北新幹線「Maxやまびこ」として、2001年から2003年までは北陸新幹線の軽井沢駅と東京駅を結ぶ臨時列車「Maxあさま」としても幅広く活躍。JR東日本の新幹線の中でも特に人気のある車両の1つですが、2018年度から順次、新型の「E7系」に置き換えが進んでいました。
車体にラストランロゴを掲出 記念品の車内販売も
まず全7編成に「ラストランロゴ」を入れた特別ラッピングのMaxが、3月13日の2021年春ダイヤ改正から走りはじめました。この特別ロゴは先頭車両と最後部車両に張られ、Maxのロゴマークにも「感謝の気持ちを込めた」メッセージが追加されます。
このほか、車内の売店スペースにもラストランの装飾とともに、ラストラン記念品となる上越新幹線の歴代車両がモチーフのカプセルトイを販売します。
2021年3月下旬にラストラン企画の特設Webサイトを開設するとともに、JR東日本の主な駅で社員のメッセージを添えた特製ポスターも掲出予定としています。
ラストランまで定期列車は22本、16両編成も運行
E4系は、2021年3月13日のダイヤ改正で全7編成での運行となります。定期列車では「Maxとき」として1日10本、「Maxたにがわ」として同12本を運行します。
車両数は8両編成が基本となりますが、より迫力のある16両編成での運行も健在です。休日に臨時の16編成Maxとき、Maxたにがわの運行を予定します。
E4系の引退はかなり前、2017年に告知されており、当初は2021年3月のダイヤ改正で引退予定でした。しかし2019年10月に発生した台風で北陸新幹線のE7系が水没してしまう大きな被害を受け(関連記事)、その緊急対策として上越新幹線向けに製造したE7系を北陸新幹線へ割り当てたことから引退時期は少し延びました。
ともあれ、いよいよか……、もうすぐか……と思うと感慨深くなってしまいます。でも「さよなら」を言うのはまだ早いですよね。引退前にもう一度、不安が去ったら日本唯一である新幹線2階席からの車窓を楽しみたいところです。
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