作ったことのない料理はテキトーに調理してはいけない(真理) 高校時代、初めて作った豚の生姜焼きでアカンことになった体験談(1/2 ページ)
カンタンそうなメニューでも、失敗のポイントが分からないうちは……。
ねとらぼ読者から、お料理の(今考えると)ありえない失敗をしてしまった体験談を伺う企画「お料理初心者だったころのミス、教えてください」。今回は番外編で「料理経験はそれなりにあったけど、初めて作った生姜焼きが……」というお話をお伺いしました。
「作ったことのない料理は、テキトーに調理してはいけない」
まずは、私の料理経験をかんたんに。料理は小さなころから好きで、小学校高学年からカレーや焼きそばなどを折々作るように。中高生になると、10歳下の妹の面倒を見るついでもあって、土日の昼食を中心に積極的に調理をこなすようになりました。このころの十八番はパスタとチャーハンでした。
―― その年齢にしては、なかなか経験豊富ですね。
ですが、高校時代に手痛い失敗をした経験があります。それが「調理実習で初めて作った生姜焼き」です。学期末最後の授業で「各グループで好きなものをつくって食べよう」という課題(という名目の打ち上げ)があり、そこで作りました。
このとき、私は生姜焼きは未経験だったのですが、それまでの調理実習では全てうまくいっていたため、「肉焼くだけとか楽勝やろ」とタカをくくっておりました。はい、フラグですね。
はてさて、生姜としょうゆのつけダレに十分に漬け込んだお肉をアツアツのフライパンに投入すると、しょうゆと脂の焦げるいい香りが立ち上ります。
しかし、用意した豚肉がカツレツ用だったため厚みがあり、火が通りきるまでに時間を要するもよう。「時間かかるしどうせならネ!」と、ボウルに残ったつけダレを肉の周りへ回し入れると、さらに立ち上るいい香り!
―― この調理過程のどこで失敗しているんでしょうか。わりとおいしそうな雰囲気ですが。
十分に火の通った豚肉をフライパンから取り出し、お皿に盛り付け。家から白飯だけ入った弁当箱を持参した男子高校生たちは、一斉に「いただきます!」と肉をかっこみました。
そして全員が一言。
「しょっぱ!!!」
蒸発したつけダレの塩分を全てまとった肉はそれはもう塩からく、一口で弁当箱の白米を全て消費せんばかりの戦闘力を秘めておりました。
世間一般の生姜焼きが薄切り肉で作られている理由、追いつけダレはうまみだけでなく、塩分も足していくのだという事実。この2つに気付かなかったことが、敗因だったのでしょう。
―― 火が通るまでに時間がかかった分、タレを足したら……ということですか。
しかし、自分たちで作ったものを「しょっぱいから」というだけの理由で捨てるわけにもいきません。われわれは泣く泣く白米と水で、生物兵器級に味の濃い生姜焼きを胃へと流し込み、最後の調理実習を終えました。
調理実習の最後の最後で、こんな大失敗をしてしまったことでプライドをえぐられた私は、“ひたすら無言で食べるマン”になっておりました。気のいい友人たちがそんな私をそっとしておいてくれたことには、今でも深く深く感謝しております。
この出来事をきっかけに分かったのは「作ったことのない料理は、テキトーに調理してはいけない」ということ。それから「昼食で塩分と水分を過剰摂取すると、午後の授業中、強烈な尿意に襲われる」ということです。
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